「トラック運転手→火葬業」男性が見つけた"天職" いったいなぜ25歳でこの道へ進んだのだろうか

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「究極のサービス業」と言われる葬祭業。火葬業務員はどのようなことに気を遣い、どんなところにやりがいを持っているのでしょうか(写真:Limesoda/PIXTA)

葬祭業は、大切な人を亡くして悲しんでいる人に対して、心の支えとなる接客・接遇などを求められることから、「究極のサービス業」と言われる。その究極のサービス業の中でも、故人との最後のお別れの場に立ち会う火葬業務員はどのようなことを気遣い、どんなところにやりがいを持っているのだろうか、取材した。

火葬業務員とは、火葬炉の運転・管理を行うだけでなく、喪家・会葬者の火葬場への受け入れから、焼骨の遺族への引き渡しまでを行うのが一般的である。火葬場は故人との最後のお別れの場でもあることから、喪家・会葬者の心情もさまざまであり、それらの違いを踏まえた接客・接遇が求められるサービス業である。

火葬場は、全国に1454施設ある(2018年11月時点、日本環境斎苑協会調査)。火葬場の設置主体は原則として地方公共団体であるが、民間企業へ委託する火葬場も増えているようだ。

火葬業務の受託最大手である民間企業の五輪は、系列企業を含め全国220施設以上の管理や運営を行っている。同社の社員で、火葬場2カ所で火葬業務に20年間携わった後、東京支社で営業管理部の仕事を5年間行っている志賀正直主幹(49歳)に、「火葬業務員のプロ」として話を聞いた。

前回:「20代で故人と向き合う仕事選んだ彼女のやりがい
前々回:親から反対も19歳で「湯灌師」目指した彼女の決意

紹介された火葬場の仕事

志賀さんは学校卒業後、乗り物が好きだったことから車の修理工場に就職。トラックの運転免許を取得後は運転手となり、自分の車を購入し会社設立を目標に仕事に励んでいた。

そうした時、行政に勤務していた義父が、業務で関わりのある火葬場勤務を紹介してきた。

志賀さんは、気乗りはしなかったが、「トラックの運転手は免許が無くなると働けなくなるので、私の将来が不安で紹介してきたのだと思います。その気持ちを無下にもできませんので、半年か1年位勤務して辞めればいいやという気持ちで、五輪の社員募集に応募しました」。

合格して入社したのは1998年3月、25歳の時である。

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