「五月病」を撃退するツボと養生、漢方薬の活用術 季節の変わり目は「気」と「胃腸」に注意を払おう

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陳皮(ミカンの皮)は、胃腸の働きを助けて気の巡りを調えます。

無農薬のミカンの皮を乾燥させることで作ることができます。1年中使えますので、しっかり乾燥させて保存しておきましょう。入浴剤などにするとさわやかで甘い香りが楽しめ、リラックス効果が得られます。陳皮がない場合は、柑橘系のアロマオイルでも応用できます。

生姜は、胃腸を温めて働きを活発にします。

胃腸の働きが弱っているなと感じたとき、食事の30分前に100ccほどの湯に薄くスライスした生姜を入れ、飲みごろになったらゆっくりと飲みます。胃腸を温めて消化力を高めてくれます。生姜を用意できないときはチューブの生姜を1〜2cmほど入れて代用してもかまいません。

ただし、昔から「生姜は夜に食べるのはよくない」といわれていますので、夕食後から寝る前は控えましょう。体が温まりすぎて寝付きが悪くなったり、睡眠の質が落ちたりする可能性があります。寝付きは体の深部体温が下がっている必要がありますので、生姜を食べるのは日中に。

服用する際は医師や薬剤師に相談を

このように、香蘇散は含まれている生薬のどれもが胃腸の働きを助け、気の巡りを整えます。

体力のない高齢者や小児、妊婦にも安心して使うことができます。私はよくお子さんに香蘇散を処方しますが、グズグズして、どこが悪いのかよくわからない症状によく効きます。

服用する際は自己判断ではなく、漢方に詳しい医師、あるいは薬剤師に相談してください。また調子がよくなったら服用はやめます。漫然と服用を続けるのは、漢方薬でも避けたほうがいいのです。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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