日本人が悩む「現在完了形」完璧理解の大胆なコツ 「日本語にない」時制であり日本語訳で考えない
「日本語に存在しない」のに……
「今日扱う現在完了形というものは、日本語にはない時制です」
これは僕が中学のとき、現在完了形を教えた先生の言葉です。いまだにハッキリと覚えているのは、「日本語にない」という響きがすごく斬新だったからです。
ところが、その後の説明は「継続/完了・結果/経験を表し、それぞれの訳し方は……」というものでした。「日本語にない時制」と言った後に、説明もなく日本語訳だけを教えるのは変な話ですよね。
みなさんの中にも同じ経験をした人が多いと思います(僕のようにいつまでも根に持ってないだけで)。もちろん日本語訳は必要ですが、それだけでは解決できないのが現在完了形なんです。
以下の3つの文を和訳してみてください(時制が違う)。紙に書いてみるか、授業で指名されたつもりで、和訳をハッキリと言ってみてください。
①I lose my keys. ②I lost my keys. ③I have lost my keys.
①loseは現在形なので、「昨日も今日も明日もカギをなくす」という意味ですね(相当忘れっぽい人で現実的な内容ではありませんが現在形の復習として)。②lost は過去形で、③have lost は現在完了形です。おそらく大半の人が以下のように訳してしまったはずです。
②I lost my keys. 「私はカギをなくした」
③I have lost my keys. 「私はカギをなくしてしまった」
こう訳し分けるだけでテストでは点数がもらえました。みなさんの中にもそう信じている人がたくさんいるでしょう。
でも、現在完了形が日本語にない時制というのならば、日本語で訳し分けることなどできないはずなのです。
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