日本人が悩む「現在完了形」完璧理解の大胆なコツ 「日本語にない」時制であり日本語訳で考えない

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さらなる発展:現在完了形のネイティブ感覚

文法問題なら「3用法のどれかに判別できる」英文しか出ませんが、長文では「分類しづらい」英文がたくさん出てきます。ここでは、上級者でも誤解していることを解説します。

注意①「特定の語句から用法を判別できる」……とは限らない!

ほぼすべての受験生が「forやsinceがあれば継続用法になる」と思い込んでいます。

『真・英文法大全』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

確かにそうなることがほとんどですが、決して100%ではありません。次の英文は継続になることが“ 多い” だけであって、ほかの用法になることもあるのです。

検証文:I have studied English for two years.

◎)継続「2年間ずっと英語を勉強している」

○)完了・結果「2年間英語を勉強した」

○)経験「2年間英語を勉強したことがある」

どの用法になるかは、実は文脈次第なんです。

※僕自身も「for/sinceを見たら絶対に継続だ」と習ったので、その誤解から抜けるのに相当の時間を要しました。これをハッキリ説明する文法書はないと思いますが、みなさん自身が今後たくさんの英文を読む中で検証してみてください。

複数の用法が混ざり合う場合もある

注意②「各用法にズバリ分類できる」……とは限らない!

実は現在完了形は、必ずしもどれかの用法に分類できるとは限らず、複数の用法が混沌と混ざり合うような場合もあるのです。

It’s been a while.
ひさしぶりだね。
※直訳「長い時間が経った」(a while「ある程度の時間」)/英語では「ひさしぶり」を直訳したような表現がないので、このような言い方をします(It’s been a long time.でもOK)

この表現は継続(ずっと長い時間が経っています)と思われがちですが、完了(会わなかった長い時間が今、完了した)と考えることもできます。

大事なことは、用法の分類ではなく過去から今までの矢印のイメージです。その中で継続+完了だと感じ取れればベストです。

今後も(難しい英文ほど)用法を分類できない現在完了形がたくさん出てくるので、小さな視点(3用法に分類)を頭に残しつつ、大きな視点(3用法に共通する矢印のイメージ)を意識してください。

補足:Long time no see.「ひさしぶり」という決まり文句

これは文法が崩壊した表現ですが、昔イギリスと中国との貿易で、中国商人が中国語「好久不見(ハオチウブーチェン)」をそのまま英訳した名残と言われています。「好久(long time)/不(no)/見(see)」です。

この表現は英会話本では「気軽な場面で使う・目上の人には使わない」と説明されます。文法が砕けた形なので、改まった場面では使わないと考えるといいでしょう。

※かつて「おひさしブリーフ」と言っていたダンディな芸人さんがいましたが、目安として、これを言える間柄(友達とか)なら、Long time no see. を使ってOKでしょう。

4日目:英会話で超重要「助動詞+have 過去分詞」習得法
1日目:「What do you do?」の答えを間違う人の盲点
2日目:CM「i'm lovin' it」に英語教師が困る興味深い訳

関 正生 英語講師・語学書作家

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せき まさお / Masao Seki

1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。TOEICテスト990点満点取得。オンライン予備校「スタディサプリ」で、毎年、全国の小中高生・大学受験生90万人以上に講義を、また、大学生・社会人にTOEICテスト対策の講義を行っている。九州大学・明治学院大学、企業での講演も多数。著書に『大学入学共通テスト 英語が1冊でしっかりわかる本』など。

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