現地日本人が語る「上海ロックダウン」の過酷実態 破綻する「ゼロコロナ政策」だが、批判はできず

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PCR検査と、自宅で行う抗原検査を合わせると、検査はほとんど毎日だ(写真提供:勝間田沙織)

「1週間ぶりの配給は、お米に乾麺、キャベツ、キュウリ、油、それになぜか人の頭ほどもあるカリフラワーでした。それでも4人家族なので、配給だけではとうてい生きていけません」

そう語るのは、3月28日からロックダウンの続く上海に暮らす勝間田沙織さん。玄関から外に出られるのは頻繁に行われるPCR検査のときか、ごみ捨てのときくらい。あとは自宅に閉じ込められて、およそ3週間になる。

足りない物資を補うのは、「小区(マンション群)」ごとに行われる「団購」という集団購入だ。

「小区のWeChat(SNS)で、『今日は野菜の回です』『今回は肉を買います』などと通知が来るので、そのときに希望を出すのですが、ものによっては競争になるし、届くのはいつになるのかわかりません。前回、購入を希望してから4日も経ちますが、まだ届きません」

とくに肉やパン、牛乳が品薄になっているという。一方で卵は豊富だ。地域によって相当にばらつきがあるようで「なぜかマンゴーだけがたくさん残っている地域もあるとWeChatで流れていました」。

地区によっては水がまったく足りない

心配なのは水だ。中国の水道水は水質に問題があるためミネラルウォーターを飲むのが一般的だが、勝間田さんの家でも少しずつ減ってきている。

「一時期、団購でも買えない時期があって恐怖を覚えました」

上海でも地区によっては水がまったく足りず、やむなく水道水を煮沸させて飲んでいると聞く。それに勝間田さんは生まれたばかりの子どもを抱えている。おむつやミルクはロックダウンが始める前に買いだめしていたものの、あと10日ほどでなくなってしまう。団購でも品薄なのだ。

「上海に住む日本人同士のグループチャットでも、おむつとミルクが買えないという声が流れています」

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