知人から「納得できない」とメールが来た。1カ月前に新型コロナに感染して発症、幸いすぐに回復したが、最近になって家族が感染した。すると自身も「濃厚接触者」として、保健所に再度の自宅待機を求められたという。
世界が「withコロナ」に向かって動き始め、日本も追従しようという中で、濃厚接触者の扱いは非常に重要だ。方針を誤れば、個人の生活に大きな支障が出るだけでなく、社会・経済の回復に水を差しかねない。
回復したばかりの「濃厚接触者」も自宅待機?
改めて、知人の話はこんな感じだ(筆者編集)。
「2月半ばに新型コロナにかかりました。私含め家族4人のうち3人がかかりましたが、1日間のみ風邪程度の症状で、小学生の娘はかかりませんでした。と言っても実際には無症状感染していただろうと思っていたのですが、3月後半になってその娘が感染したのです(同じく1日で解熱)」
娘さんは2月には実際に感染を免れていたのだろう。であれば後日、ほかでウイルスをもらってきても仕方ない。問題はここからだ。
「小児科医には、私がその子からうつる可能性はないと言われました。ところが保健所に問い合わせたら、私や家族は濃厚接触者になるから自宅待機を、というのです。納得できません」
知人は保健所に電話で、自分は前月にかかったばかりで、すぐに回復したが待機協力を全うした旨を説明し、「これ以上の待機は難しい」と訴えた。
だが、相手はお役所の一職員だ。「そうですよね……」と理解を示し同情しつつも、それ以上の判断を下すことはできなかった。
要するに、「濃厚接触者」の定義もしくは扱いの問題である。
厚生労働省の定義では、濃厚接触者とは、感染者の症状出現から2日前(無症状なら検体採取時から2日前)にさかのぼって、以下のいずれかにあてはまる人をいう。
●長時間の接触(車内や航空機内を含む、原則として国際線では前後2列以内、国内線では周囲2m以内)
●適切な感染防護なしに診察、看護、介護した
●感染者の唾液(くしゃみ等)や排せつ物などに直接触れた可能性が高い
●マスクなしで1m以内・15分以上接触した
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