貧しい家庭出身の人が登場する機会が多い本連載だが、奨学金を借りようか迷っている者の中には中流家庭の人も当然いるだろう。「中流家庭出身者として、そういう人の参考になれたらうれしい」と応募してくれたのが、有本浩さん(仮名/32歳)だ。
「私は5人きょうだいの4番目で、他のきょうだいと大学の在学期間がかぶっていました。また、下にも4歳年下の弟が控えていました。そういう状況だと、両親も簡単にポンと学費は出せませんよね」
独特な教育方針だった両親
貧困家庭でなくとも、近い年齢のきょうだいがいる家庭だとよくあるケースと言えそうだが、有本さんの家の場合は、独特な教育方針の影響もあったようだ。
「両親は私に『大学に進学する意味や価値を理解してほしい』という思いがあったようで、『周りも行くから』という理由で大学に行きたいと考えている私に対して、『大学に行く目的』を指摘。
これはもうわが家では半分、ネタ話になっているのですが、『大学に進学したい理由を、小論文形式の原稿で提出しなさい』と言ってきたんです。



















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