わりと行き当たりばったりの旅行だったようだが、海外旅行の楽しさを覚えた有本さんはその後、大学在学中にインド、イタリアなどにも足を運ぶことに。就職前の最後の春休みには、アメリカ横断旅行を実行した。
「もうすぐ卒業という段階で、まだ借りた奨学金が200万円以上残っていました。また、社会人になれば1カ月以上休める機会なんてそうそうない……そう考えて、ひとりでバスを乗り継いでアメリカを横断しました。
サンフランシスコには友達が、ニューヨークには叔父が当時住んでいたので、その2カ所にはもともと寄る予定でしたが、それ以外の目的地は全然決めていなかったですね。『ラスベガス行ってみたい』とか『シアトルにあるスターバックス・コーヒーの1号店に行ってみたい』とか、軽い気持ちで行動していました。
1カ月近くうろちょろして60万円近く使いましたが、最終的にたどり着いたのはマイアミ。叔父から『キーウエストという島で行われるハロウィンパーティが最高にクレイジー』と聞いていて、興味が湧いたから行ったんです(笑)」
部活動や飲み会も熱心に
次に、②の「部活動にかかる費用」。大学4年間を通して熱心に活動していたそうだが、この支出は100万円程度と、支出に占める割合はそこまで多くなかったようだ。
「小学生の頃からずっとやっていたスポーツがあって、大学でも、サークルと体育会の間に位置する準体育会の部活動に所属していました。
とはいえ、練習は週に4回程度はあり、合宿も年に3回くらいありました。それ以外にもチームのユニフォーム、スウェット、ジャージを作る際にも出費がありました。ただ、学内のグラウンドを使えたこともあって、部費自体は相当安かった印象です」
最後に③の「生活費や交際費」だが、ここには運動部での飲み会などが含まれた。細かい金額はわからず、また交通費など避けて通れない出費も含まれたが、合計で約200万円ほどだという。
見方によっては「奨学金で飲み会に参加し、旅行し、スポーツしていた」有本さんに対し、中には「その奨学金の使い方はズルいのでは?」と感じる人もいるかもしれない。
しかし、彼のお金の使い方の思想の背景には、前出の母親の存在があった。
「専門学校に通っていた母は、学費をすべて自分で支払わなければならなかったらしく、当時は授業そっちのけでアルバイト漬けの日々だったようです。
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