スキマ時間に中国人は「読書」に走り、日本人は「バイト」に向かう "知識で劣る"ことを恐れ、読書に傾倒する《中国人の焦燥》

今、日本では「スキマバイト」が流行し、短時間の単発仕事に注目が集まっている。
一方、中国では「スキマ勉強」の風潮が広がり、特に中産階層の間で、教養や自己啓発を目的とした読書会(読書クラブ)が広まりつつある。
読書会とは、参加者が同じ書籍を持ち寄り、その本の感想や意見を伝え合うというもの。形式は多様で、専門的な学びを目的としたものから、娯楽やリフレッシュを重視したものまである。有料・無料のプランが用意されているのも特徴だ。
知識不足で周りに取り残されるのが怖い
なぜ今これほどまでに読書会が盛り上がっているのか。
その背景には、新たな知識への渇望があると同時に、「知識焦燥」とも呼ばれる、不安や焦りに駆られた心理が関係していると考えられる。
近年の中国では、オンライン講座や音声読書アプリの普及により、「スキマ時間で読書・勉強する」風潮が広がっている。その流れの中で、「もっと効率よく学びたい」「知識のアップデートに追いつけない」と感じる人が増えてきたのだ。
読書会は都市部から地方へとじわじわ広がっている。
公共読書会は図書館や文化センター、大学などで開かれ、誰でも参加できる。オンライン読書会では、WeChatグループやbilibiliなどのSNSを使い、時間や場所にとらわれずに参加できる。文字チャットに加え、音声やビデオ通話形式も増えてきた。
プライベート読書会は、友人や同僚など気の合う少人数で開かれる。人気のジャンルは、成功哲学やビジネス書、自己啓発や心理学、歴史・伝記、そして文学作品まで幅広い。「読む」ことが、人とつながる手段になりつつある。
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