
注目を集めた2024年8月の内田副総裁の函館講演(写真:共同)
2024年7月31日、日銀は政策金利を引き上げ、国債買い入れの減額も決めた。この夜、市場の反応を警戒していた日銀幹部は財務省側に「何とか混乱は避けられたようだ」と報告した。
だが、その12時間後、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジェローム・パウエルが記者会見で「早ければ9月に(金利を)下げる可能性がある」と発言する。日米の政策金利が逆方向に動くことが確実となり、国際金融市場の歯車が一斉に動き出した。
パウエル会見の翌々日、米国の景気後退懸念から日経平均株価が2216円安と史上2番目の下落幅を記録。この後、7月の米雇用統計で失業率の悪化が確認され、ニューヨークのダウ工業株30種平均も一時989ドル下落した。株安の連鎖が加速していく。
そして週明け8月5日、東京市場は朝からパニックに陥った。取引開始からわずか14分間で日経平均は2500円下落。午後には売りが売りを呼ぶ展開となり、1987年10月のブラックマンデーを超える4451円28銭安で引けた。つい3週間前につけた史上最高値から1万円超の大暴落である。
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