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市場が驚き、震え上がった「7月利上げ」はサプライズだったのか?「対話不足」に陥った理由とは 植田丸、2年目の逆風④

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会合に向かう植田和男氏
2024年7月31日の金融政策決定会合に向かう植田和男総裁(写真:共同通信)
過去の金融政策・経済政策の検証に取り組む筆者が、当時の政策決定プロセスや当局者たちの人間模様に迫る。【月曜日更新】

2024年7月、日銀は、国債買い入れの減額だけでなく、同時に政策金利の引き上げも実施する方向で準備に入った。これに対し、首相官邸と財務省は「利上げは望まないが、今回は日銀の決定を妨げない」という“不干渉作戦”に出る。すべては日銀の決断に委ねられた。

7月19日、首相の岸田文雄は軽井沢で金融政策の正常化を支持する考えを明確に打ち出した。

「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しし、経済ステージの移行が金融政策のさらなる中立化を促す。こうした方向に沿って着実に経済運営の歩みを進めてまいりたい」

首相側近は「秋の自民党総裁選挙を意識した発言であり、7月利上げは想定していなかった」と言うが、日銀側は首相のゴーサインが出たと受け止め、舞い上がった。

続いて、自民党の有力議員からもエールが発せられる。

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