「うちの地元は大学に進学する人なんていないぐらいの田舎。当然、私の両親や祖父母も中卒か高卒で、大学進学なんて考えられない家系でした」
今回話を聞いたのは、都内で不動産関係の会社に勤務する中島恵さん(仮名・36歳)。明るく、ざっくばらんな語り口が印象的な人だ。
自営業で借金癖のあった父親
中島さんが通っていた高校は、中部地方の某県にある、県内で5番目ぐらいの県立高校。クラスメイトの多くが大学進学を考えていたが、中島さんの場合は事情が違った。
「私の父は建設業の自営業者なのですが、雪国なので冬場は仕事が大幅に減ります。昔からあまりお金の計算がうまくないこともあって、結果、収入がない時期に家計を支えるため借金を重ねていました。
だから、家計的には大学に行ける状況ではなかったのですが、私自身は成績もそれほど悪くなくて、父を見ていて『やっぱり大学に行かないと、将来いい仕事に就けないな』と思っていて。
学校の先生に相談したところ、『奨学金を借りてでも、大学に行ったほうがいい』と言われたので、奨学金を借りて進学することを決意しました」
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