「奨学金480万円」女性が田舎の親に"今思うこと" 「借りられるものは借りておけば?」が危険な訳

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こうして、茨城県にある国立大学への進学を果たした中島さん。日本学生支援機構から、第二種奨学金(有利子)を、毎月10万円借りることになった。

「入学金と、一人暮らし開始にかかる費用は祖母に出してもらって、それ以降は毎月10万円の奨学金とアルバイト代から賄っていました。国立大学だったので、学費が免除になったり、4割負担になったりしていたのはありがたかったですね」

父親に自己破産の危機

自身に関しては計画的だった中島さんだったが、家族もそうとは限らないのが人生。大学2年の時に、父親が自己破産寸前になってしまう。

「父は『会社勤めは面白くない』という理由で会社を辞めて、長年職人としてフリーランスの『一人親方』のような立場で仕事を受けていました。私が生まれた頃は建設バブルだったからよかったものの、昔から仕事をもらうための営業が苦手なようで、仕事が全然ない時期もあったりしたんですね。

母も働いてはいましたが、田舎なので給料も知れていて、正社員なのに手取りが10万程度で。最終的にサラ金がサラ金を呼んで、借金は300万円ぐらいに。住宅ローンの返済すら猶予してもらう時期があり、両親の年収では自己破産を真剣に考えるほどでした」

中島さんはこの実家のピンチを、特殊な方法で解決する。

「奨学金の一部を、実家に仕送りすることにしたんです。最初は『大学を辞めたほうがいいのかな』と真剣に考えていたんですが、よくよく考えてみると、当時の私はバイトで結構な収入があったので。

奨学金は消費者金融のローンと比べると、金利が低いですしね。とはいえ、『こんな使い方していいのかな……』という罪悪感はありましたけど」

娘の奨学金で、父親の借金を返済する……なかなか異例なことだが、結果から言えば、亡くなった祖父の遺族年金や祖母の寡婦年金なども返済に充てるというさらなる合わせ技を使い、中島さんの父親はなんとか自己破産は回避することができたという。

だが、その後もお金の無心は続き、結果的に、中島さんはアルバイトに勤しむ学生生活を送ることになる。

「レストラン、居酒屋、スナックで働きました。週6日は働いていて、土日は休んだことありません。地方は東京と違って終電を気にしない社会なので、夜遅くまで働いて自転車で帰るんですね。翌朝は眠いので、絶対に1限目は履修しないようにしていました。地方でしたけど、毎月10万円は稼いでいました」

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