「奨学金400万円」借りた男性に父が驚きの一言

ダメ学生が真面目サラリーマンに成長するまで

父の頼みで奨学金400万円を借りた男性。大人になった今、父に対して思うことは……(写真:monzenmachi/iStock)
「10代の若者が数百万円の借金をする」ーー。今多くの若者が大学に進学するために「奨学金」を借りるが、”子どもの判断力”で借金をした結果どうなるかは、意外にあまり知られていない。
学歴社会において「大卒」という肩書きが必須となっている以上、学生目線では「借りないわけにもいかない」という現実もある。「そもそも大学の授業料が高くなっている」「学費を担ってきた親側におしよせる、可処分所得の減少」など、親たちの経済事情も刻々と変わっている。
そこで本連載では、奨学金を実際に借りた当事者たちに取材。「借りたことで、価値観や生き方にどんな変化が起きたのか?」。彼らのライフストーリーを追っていく。

「一言で言うと、典型的なダメ学生でしたね、僕は」

石田慶太さん(29歳/仮名)は現在、人材派遣会社で働く男性だ。関西地方出身で、京都府にある4年制の私立大学を卒業しており、取材オファー時のメールのやり取りも非常に真面目。待ち合わせたカフェにも、パリッとしたスーツ姿で現れた。

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それだけに予想外にも思える切り出し方だが、本人は至って真面目な表情で、

「安い酒を飲んでは友達の家の風呂場で嘔吐して、講義には出ずに喫煙所でタバコをふかし、テスト前には友達にレジュメを見せてほしいとねだる……あの頃は本当にだらしなかったですね」

と語る。なにが、彼を真面目なサラリーマンに変えたのか。

5人きょうだいが全員中高私立

慶太さんは、今どき珍しい5人きょうだいの長男である。父は自営業で、「基本的には経済力はあるほうだったと思います」とのこと。基本的には、という表現の理由はこんな感じだ。

「僕らきょうだいは、5人とも中高一貫の私立の学校に通っていました。それなりの進学校だったので、大学に進むのも当たり前の環境でしたね。で、父は儲かりそうな話に手を出すタイプの自営業で、当然、そこには成功も失敗もあった。僕が高校3年生になった頃は、ちょうどうまくいっていない時期だったんです」

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