「奨学金400万円」借りた男性に父が驚きの一言 ダメ学生が真面目サラリーマンに成長するまで

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そんな状況のなか、慶太さんは大学進学に際し、奨学金を借りることになる。総額は400万円で、有利子の第二種だった。

「父は最終学歴が中卒。それも影響しているのか、『高校までは面倒を見るけど、その後は奨学金を借りていけ』と前々から言われていたんです。僕自身、『与えてもらえるものはありがたく受け取るけど、与えられないことが普通』と思う性格だったので、とくに反発心もなく奨学金を受け入れました」

こうして奨学金を借り、大学に入学。最初は実家から片道1時間半かけて通っていたが、1年の夏休み前に母親とケンカしてしまい、家を飛び出してしまった。思いがけぬ一人暮らしの始まりである。

「急に家出したものだから、資金源が奨学金とバイト代しかなく、それだけでやりくりするハメになりました。奨学金は毎月ちょこちょこ数万円単位で振り込まれていたので、奨学金を授業料に当てて、家賃と生活費はバイト代から捻出していました。バイトは塾講師とレストランの清掃。塾講師は平日に2〜3時間、レストランは閉店後から朝まで働いてました。週4日ぐらいは働いてましたね」

当時住んでいたアパートの家賃は3万2000円だったという。その家賃で、それだけ働いていれば、なんとかやりくりできるだろう……と思いきや、当時「ダメ大学生」だった慶太さん。奨学金を借りていない人でもありえるような理由で、学生生活は苦しくなる。

「恥ずかしながら、当時の僕は金遣いがとても荒くて、音ゲーが好きでゲームセンターに通いまくって、毎月3万円くらい使っていたんです。当時は『使えるときにたくさん使って、なくなったら次にお金が入るまで我慢する』という考えでした。収支の感覚が欠如していたんですよね」

深夜の清掃バイトも影響したのか、次第に昼夜は逆転。講義は夕方から始まる5限だけ出席するようになった。

「出席確認を取らない講義を中心に、シラバスを組んでいました。試験前には友達にレジュメやノートのコピーを必死でねだっていたので、きっと『アイツはヤバい』と呆れられていたと思います」

学生ローンのお世話になったことも…

そんな自堕落な学生生活を送っていると、当然ながら授業料の支払いで、地獄を見ることになる。

次ページ周囲の人に恵まれ、変化していって…
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