【国内・海外承認薬一覧付き】がん細胞に侵入し内側から破壊する最新抗がん剤「ADC」はどれくらいすごいのか?《仕組みをわかりやすく解説》

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最新の抗がん剤ADCについて専門家に取材しました(写真:Yuralaitalbert/PIXTA)

がん治療の新たな可能性として注目されている「抗体薬物複合体(ADC)」。通常の抗がん剤(細胞障害性抗がん剤)と違い、がん細胞に薬剤をピンポイントで送り届け、正常細胞への影響や副作用を抑えつつ、治療効果の最大化を目指す。

世界で新薬の開発競争が進んでいるが、ADCはがん患者に新たな希望を与えるのだろうか。臨床と研究開発の専門家にADCの現状と展望、課題を聞いた。

【表】最新のADCの種類と海外・日本での承認状況はこちらをご覧ください。

ADCががん細胞に効く仕組み

ADCは、<抗体+リンカー+薬物(ペイロード)>を組み合わせた薬だ。

抗体ががん細胞の表面にある特定の目印(抗原)に選択的に結合すると、薬物と抗体とをつないでいるリンカーが、がん細胞の内部、またはその周囲の特定環境下で切断され、強力な細胞殺傷能力を持つ薬剤ががん細胞内で広がり、がん細胞を破壊するという仕組みだ。

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