「奨学金400万円」借りた男性に父が驚きの一言 ダメ学生が真面目サラリーマンに成長するまで

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ちなみに、冒頭に記したように、慶太さんは今、人材派遣会社に勤めている。そこでの仕事を踏まえると、学歴至上主義のわが国においては、奨学金を借りてでも「大卒」というキャリアを獲得することは、非常に重要なことだと語る。

「企業の採用支援をしている立場からすると、やはり学歴は必要だと思います。大卒でないと受けられない求人もあり、学歴不足を理由に不採用になるケースは本当に多い。

中卒の父がたくさん稼いでいるのを見てきたので、僕自身は学歴主義者ではありません。だからこそ、企業に『低学歴だけど、スキルの高い人』を推薦することもあるんですけど、『学歴が……』と断られることも多い現実があります。令和の今でも、です。

今後、社会の価値観が変わったり、何かほかにポテンシャルを見抜くいい方法が生まれれば話も変わると思いますけど、今の社会にアジャストして、個人がどのようにして生きるかを考えたとき、奨学金を借りてでも大卒のパスポートを得るのは、ひとまず今の最適解だと僕は思います。

……もちろん、これは運よく周りの人に恵まれ、問題なく返済できている今の僕だから話せる、結果論なのかもしれませんけどね」

本連載初回の記事ーー「奨学金240万円」借りた女性が抱く父への葛藤ーーに対し、一部の読者から「お金がないのに大学なんかいかなくていい」という趣旨の意見が寄せられた。

たしかに、学歴がなくてもバリバリ働き、活躍している人は世の中には存在する。しかし、彼らの多くは頭がよく、才気やバイタリティーに恵まれているもの。そういう人のほうが、大卒者よりよっぽど少ないのではないか。

言うまでもないことだが、大卒の人生が中卒・高卒の人生より優れているわけではない。しかし、たとえ数百万円借りたとしても、そのほうが結果的に自分を楽にする……というケースも十分にあるのだろう。

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。編集者としては「驚異の陳列室『書肆ゲンシシャ』の奇妙なコレクション」(webムー)なども手掛ける。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。毎月、南阿佐ヶ谷トーキングボックスにて「ライターとして食っていくための会議」を開催中。

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