「学費を払うタイミングでお金が底を尽き、駅前にある学生ローンに行ったこともありました。祖父から生前贈与としてもらった200万円もすぐになくなってしまったり……。自分のせいなんですけど、とにかく生活が苦しかったですね。スーパーのプライベートブランドの安い袋麺を、1日に一個しか食べてない時期もありました。
でも、それでも音ゲーはやめられなかったし、たばこも吸っていました。echoのほうが安いけど、こっちもプライドがあるのでマルボロ以外は吸わないんですよ」
そんな絵に描いたようなダメ学生生活を送っていた慶太さんだが、救いだったのは友人たちの存在だ。
「家具とか家電を一切持たないで家出してしまったので、クラスメイトや部活の先輩たちがカセットコンロや鍋、食器などをくれたんです。他にも、部屋に遊びに来ると僕の代わりに部屋を片付けてくれたり、『飯食ってないんだよね』と言うと気前よくおごってもらえたり、部費も『お前は今はいいよ。社会人になってから払って』と猶予してもらえたり……周りの人にはとにかく親切にしてもらえました。友達には恵まれた、大学生らしい生活をしていたなと思います」
上司との出会いなどで人間的に成長
その後、慶太さんは無事に就職先を見つけて大学を卒業。とは言え、ダラけきった感覚は社会人になったからといって簡単に改まるものでもないわけだが、ここでもまた人に恵まれることになる。
「入社した当初はちゃんと仕事しないタイプで、なにかタスクを与えられても、なかなか最後までやり切ることができませんでした。
でも、上司が諦めずに向き合ってくれたおかげで、少しずつ仕事ができるようになっていったんです。『お前って本当に精神的に幼いよな』と言われ続けて、そこで初めて自分としっかり向き合い、努力を重ねました。当時は辛かったんですけど、それで仕事ができるようになったと思います」
愛されキャラの慶太さんは、大学だけでなく、職場でも人に恵まれたようだ。
また、これは本人としても想定外だったようだが、子宝にも恵まれることになる。
「入社して3年ぐらいでデキ婚しちゃいまして(笑)。でも、子どもができたのも自分の中では大きくて、急激に真面目になった気がします。その頃、仕事でも初めて部下を持つようになって、日々、自分が大人になっていく感覚がありました」
精神的な成長期を、20代中盤にして迎えたようだ。
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