「勉強ができるから」という理由でイジメの対象に
「大学に行けば何かが変わると思ったんです」
九州出身の関根健斗さん(仮名・33歳)は、2人兄弟の長男。生まれ故郷で大学進学は主な選択肢ではなかったが、小学生の頃から勉強ができた彼は、漠然と「大学には行くものだ」と思っていた。
「父は個人事業主。母はスーパーのレジ打ち、電話オペレーター、パン屋など、パートで家計を助けていました。両親共に大卒ですが、父は大学進学を望んでいたわけではなく、子どもの頃から自衛隊への入隊を勧めてきました」
しかし、自身を「エヴァンゲリオン体型」と自虐する関根さんは身長こそ高かったが、食べても食べても太らず、自衛隊や消防士など、身体を資本とする仕事には就けないと感じていた。だからといって、何か夢があるわけでもない。
中学校に入り、周囲がグレだすと、「勉強ができるから」という理由で、別の小学校出身の同級生たちからイジメの対象となり、部活も辞めざるを得なかった。
いわゆる「平成一桁生まれ」の関根さんの時代でも、「勉強する奴はダサい。不良のほうがカッコいい」という価値観が根付いていたそうだ。



















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