そして入学早々、カワサキのNinja(ニンジャ)を購入。大学卒業後の奨学金返済に加え、在学中から数万円のバイクローン返済も始まった。原資は奨学金である。
当然ながら、使えるお金はその分減っていく。しかし、関根さんにはアルバイトをする意思がなかった。
「学生の本分は勉強ですからね。それに、若い頃は少しの酒と米でなんとか生きていけるものなのですよ。そういう考えだったため、私生活はかなり荒れていました。サークルの年会費はもちろん、家賃やバイクのローンなど、すべてを滞納していたと思います」
結果、あだ名は「クズ」になったが、幸いなことに友達はたくさんいた。そのため、お金がなければ友達に借りたり、先輩にご馳走してもらったりしていた。
「ただ、お金を返さないなど不義理をしてしまうこともあって、よく友達を失っていました。だから、仲良くなった人には、毎月11日の奨学金が振り込まれる日に飲みに誘うなどして、なんとかつなぎ止めようとしていました」
内定をもらったものの、留年が確定してしまい…
大学に行けば変わると思っていた関根さんだが、悪い意味で東京に染まってしまった。勉強する意思はあったが、毎日遊んでいるうちに次第に講義にも出られなくなってしまう。
ただ、地頭は良かったため、試験前に周囲からレジュメを借りて一夜漬けで挑み、ギリギリの単位数で4年生になった。ところが、夏休みに入る前、単位が足りず留年が確定してしまう。
「就職活動をしていて、そこそこ大きな企業からの内定も得ていたのですが、さすがに慌てましたよね。内定先の企業に『留年してしまったので、もう1年待ってもらえませんか?』と伝えたら、激怒されてしまいました」
両親は留年したことをとがめなかったが、残り1年分の学費は自分で払うように告げられた。さすがに食い扶持が必要となり、関根さんはようやく重い腰を上げてアルバイトを始める。



















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