21歳医大生が「売春」にまで手を染めた事情 「月3万円くらい、どうしても足りない」

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広田優花さん(21歳、仮名)は「どうしても部費が足りなかった」と語る(写真:編集部)
この連載では、女性、特に単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。今回紹介するのは、奨学金で国立大学に通いながら売春で教科書代や部活費を賄う21歳の女性だ。

 

昨年から一般女性たちの間で「パパ活」がはやっている。パパ活とは女性たちが夢や願望、自己実現、生活のため就活や婚活をするように、パパなるパトロンを見つける行動だ。昭和の時代から配偶者以外の特定の異性と肉体関係を結び報酬を得る「愛人」はあるが、「愛人」と現代の「パパ」は似て非なる。

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現代のパパ活は、本当に驚くほど普通の大学生や専門学生、正規非正規で働く普通の女性たちが手を出す。その背景には男女間の収入差、世代間格差、若い世代の低賃金労働がある。非正規雇用が40%を超え、自立する多くの未婚女性たちの生活は基本的に苦しい。結婚や出産など長期的な展望が見えなくなった女性たちが、年上の男性から経済的な援助を前提に交際や恋愛をする。普通に恋愛する人もいれば、売買春に近いような関係もある。

パパ活の舞台となる掲示板にアクセスした。無数の女性たちが掲示板の向こうの男性たちに自分の魅力を訴えている。そのひとつのメッセージに連絡をした。

21歳の国立大学生です。
授業が忙しくて多く働けず、親からの支援もないので、支えてくれる方を探しています。
昔からわりとモテるほうなので、容姿も性格もそんなに悪くないと思います。条件書いてメールください。

 

この"21歳国立大学生"広田優花さん(仮名)と数日後に会うことになった。

待ち合わせ場所に現れたのは・・・

「あのう、19時に待ち合わせしている広田です」

新宿アルタ前、小さく声をかけられた。私は絶句した。彼女が信じられないほどの美少女だったからだ。芸能人にたとえれば、有村架純に似ている。同行する女性編集者も「えっ」と声を失い、私に目線を送る。彼女はわれわれに対する猜疑心からか、表情はこわばるが、清楚で知的なことは一目で伝わる。すれ違う通行人で振り返る人もいるほどで、本当に圧倒的な美少女だった。

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