「奨学金560万円」借りた男性が“後悔してること" マイホームや車を購入して「時間の価値」を痛感

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仕方がないので、大学に行く目的とその理由、そこで何を身につけたいのか、そしてその先にどんな仕事をしたいのかということを、ワードファイルで何枚かに書き出して提出しました。それで、大学進学の許可を得たんです。大人になってから振り返ると、べつに他のきょうだいはそんなことやってなかったのですが(笑)」

そうして大学進学を勝ち得た有本さんだが、その一方で「学費1年分は自分で準備すること」という大学進学の条件を突きつけられたという。

「ただ、私が進学を希望した大学の学費は年間約150万円と比較的高額だったため、アルバイトをしても貯まる金額ではありませんでした。そこで、両親からの勧めというか、『借りなさい』という指示に近い感じで、『奨学金を借りよう』と考えたんです」

その後、有本さんは志望校だった、都内にある有名私立大学に現役で合格。4年間で総額約564万円の奨学金を借りることになった。

しかし、結論から述べると、「結局、授業料は4年分、両親から出してもらえたんです」とのこと。神奈川県出身の有本さんは、自宅から通学することができ、地方出身者が避けて通れない「家賃」という出費もかからなかった。つまり、学費や家賃以外の部分に奨学金を使用した。

……この時点で、すでに本連載の過去の記事とは大きく雰囲気が違っていることを感じた読者も多いだろうが、今回は「自分への投資」という話になる。

約450万円を「学費以外」に使う

社会人になった時点で、有本さんの手元に残っていた奨学金は約100万円だったという。つまり、4年間で450万円以上を使ったことになるが、その使途は主に①旅代②部活動にかかる費用③生活費や交際費の3つだった。

まず①の「旅代」だが、これは4年間で150万円ほど。

「最初の旅は、東南アジアでのバックパッカー旅行。大学2年から3年に上がる春休みのタイミングです。当時は都内の観光施設でアルバイトをしていたのですが、東日本大震災が発生し、節電や自粛ムードの影響でしばらく営業しないことになったんです。

部活動もオフシーズンで、大学の講義も1カ月開始が遅れることになり、『こんな状況だけど、これだけまとまった時間は、社会人になるとなかなか取れないだろう』と思って海外に行くことにしました。ベトナム、タイ、カンボジアなどをまわりましたね。

本音を言えば先輩たちが旅行したヨーロッパとかに行きたかったのですが、お金もかかりそうだったので……。軽い気持ちで行ったので、『人生観が変わった』みたいな体験はしていないです。強いて言うなら『人生ってなんとでもなるな』ということですかね」

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