「人見知り」でも「人脈のつくり方」を学ぶべき理由 「800人超」から得た知見を体系化、形式知化

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「人脈づくり」は重要ですが、人見知り・引っ込み思案で人脈づくりが苦手……という人も少なくありません(写真:mits/PIXTA)
ビジネスにおいて、また人生において、「人的ネットワーク(人脈)」は極めて重要な要素となる。一方で、「自分は人見知り、引っ込み思案で人脈づくりが苦手」という人は少なくないだろう。
グロービス経営大学院では、人脈づくりの方法論について、100人超のビジネスパーソンへのインタビュー、延べ800人超のアンケートを実施し、その知見を体系化、形式知化している。研究成果をまとめた『「人的ネットワーク」づくりの教科書』の執筆・監修者が人脈のつくり方、ビジネスへの生かし方について、具体的な事例を交えて解説する。

ネットワーキングのレベル0~レベル5

そもそも私たち人間は、1人では何事も成しえない。変化の激しい現代において、特に複雑化した課題を解決するためには、これまで以上に、勤務先などの所属する組織の内外を問わず、多様なメンバーを結集し、対話を重ね、新しいアイデアを共創していくことが重要になってきている。

「人的ネットワーク」づくりの教科書
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グロービス経営大学院が2020年に実施した研究プロジェクトでは、「人的ネットワーク構築」の方法論について、100人超のビジネスパーソンへのインタビュー、延べ800人超のアンケートを実施し、その知見を体系化、形式知化した。

では、その人的ネットワークはどのように構築していけばよいのだろうか。

例えば「異業種交流会に参加していろいろな人に挨拶して名刺をひたすら配る」という行動や、「できるだけ多くの人にSNSでつながる申請をする」という行動が頭をよぎった人もいるかもしれない。しかし、ただつながるだけでは人的ネットワークからの恩恵を受けにくいのだ。

インタビューから明らかになったことは、「人的ネットワークを構築し活用することは1つの『能力』であり、その『能力』は意識的に行動を積み重ねることで開発できる」ということだ。

私たちは、その人的ネットワークを構築し活用する能力を5段階に分類し、「ネットワーキング・レベル」と呼ぶことにした。

レベル0

ネットワーキングの活動をまったくしていない段階。人的ネットワークの大切さを理解していない、もしくは大切だと思いながらも行動をしていない状態。親しんだ職場の仲間や古くからの友人としかかかわらず、新しい領域に足を踏み出していない人はレベル0に該当する。

このレベルの具体的な例としては、以下のようなことが挙げられる。

□社会に出た後、人的ネットワークが「仕事で関わった人」のみしか拡がっていない。

□社外の人と交流する機会があっても参加しない。もしくはコミュニティーの輪の隅から物事を傍観している。

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