千田:私が初めて受けたのは1985年だったと思います。スコアは810点だったかな。AIU保険会社にいたときでした。
安河内:タイムライフのあとはAIUに転職されたのですか?
千田:そうです。実はタイムライフを辞めるときに、北村さんにTOEICを一緒にやろうと誘われたのですが、AIUへの転職が決まっていたので断ったのです。それで13年ほどAIUで仕事をしたのですが、北岡さんから再度お誘いがあったときに、今度はご一緒しようと決めたのです。
安河内:千田先生の功績もあって、今では年間230万人を超える受験者数までの大規模な試験になりました。
千田:大学で初めてTOEICを採用したのは千葉商科大学。そこから全国の大学にどんどん広がっていきました。
日本人はTOEICのおかげでリスニングするように!
安河内:今までお話してきたTOEICテストはリスニング(L)とリーディング(R)の問題が出題されるものです。日本では1979年に第1回目が開催されました。この試験は1980年代から2000年代にかけて、日本の英語教育を大きく変えてきたと私は思っています。
私は英語科の学生でしたから、リスニングの勉強もある程度はしていました。でも、一般の大学生でリスニングの勉強をしている人は、私が大学生だった1980年代半ばから後半にかけては、ほとんどいませんでした。例外としてアルクの通信教材「ヒアリングマラソン」をやる人が、少しいる程度だったと記憶しています。書店に置いてある英語学習本も、リスニングに関するものはあまりありませんでした。
ところが今は書店にあるリスニング関連の英語学習本がなんと多いことか! なぜリスニング本が増えたかと言えば、グローバル化の影響もあるとは思いますが、いちばんはTOEICの影響と言って差し支えないでしょう。
千田:間違いないでしょうね。昔は英語の“勉強法”だったのが、今は英語の“トレーニング法”の書籍に変わったと言えますね。トレーニング法の書籍はTOEICのような試験が出て来たことで普及したと思います。
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