――マレーシアの印象を教えてください。
皆あまり働かないのに経済成長率が日本の3倍以上なのが不思議ですね。大きな駅の構内のドーナツ屋が朝10時まで開かないとか、どれだけやる気ないのかと笑ってしまいました。
近代的なモールのすぐ外に屋台が立ち並んでいたり、車とバイクがろくに車線すら守らずに入り乱れているのに、誰もクラクションをならさなかったり。そのカオスっぷりと、そんな街の中に乱立する超近代的なビル群のコントラストが何とも言えずシュールです。いい意味でテキトーな国だな、と思いました。
マレー人優遇政策のため、人材流出の問題も言われています。でも、国は発展していて、皆が明るい未来を信じている。自殺率は日本よりずっと低い。みんなおだやかな顔して、こっちまで気分がのんびりします。
3カ国語を話すのが当たり前
――マレーシアの強みは、どんなところだと感じますか。
まず、教育が行き届いている点は強みです。3カ国語くらい話す人がいくらでもいる。また、いろいろな民族やカルチャーや宗教がお互いを尊重し合って共存しているのも大きな強みだと思います。英語がどこでも通じ、イスラムと西欧のハブとして機能しているのが面白いですね。
昨日ちょっと大学の見学に行ったら、学生の三分の一を留学生が占めていると聞いて驚きました。遠くイエメンやドバイやイラクからの留学生もいる。そしてさまざまな国籍の人が一緒に机を並べて勉強している。米国の西海岸に通じるようなオープンな雰囲気です。
――米国の企業側が、採用候補者に求めることってどんなことでしょうか。
まず就職に必要なのはスキルで、次が英語力です。たとえば、以前もの凄く優秀なデザイナーがアップルにいましたが、彼は英語ができないので会社が通訳を付けていました。ただ、普通はそこまで突出したスキルがありませんから、やっぱり英語は重要です。エンジニアならTOEIC750点、管理職なら満点を最低限の目安と考えてもいいと思います。
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