日本の教育では、新しい時代を生き抜けない 田村耕太郎「海外子育て」の意義を語る

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連載最終回は特別編として、シンガポールへ移住した元参議院議員の田村耕太郎さんへのインタビューです
1年以上に渡ってマレーシアの子育て事情を取材してきた連載も今回が最終回。特別編として、元参議院議員の田村耕太郎さんのインタビューをお届けする。
田村さんは、『アジア・シフトのすすめ』(PHPビジネス新書)などの著書で、一貫してシンガポールを中心としたアジアへ目を向けることを提言してきた。2014年、当時2歳のお子さんを連れてシンガポールに家族で転居。その理由と、彼が考えるこれからの時代の子育てについて聞いた。

「日本で子育てをするという選択肢はなかった」

――田村さんは、教育のために2歳のお子さんを連れてシンガポールに移住したと聞いています。なぜでしょうか。

家族での移住は、娘が成人する2030年代を想定して逆算して決めました。

彼女たちが生きる21世紀は、私たちが生きてきた時代とまったく違うと思います。グローバル化、高齢化、人口減少、テクノロジーの進化、気候変動、安全保障環境と、未曾有の変化が日本を襲ってきます。それまでに、娘には数多くのオプションを持たせてあげたいと思いました。

最終的に、どこでどう生きるかは成人した彼女が決めることですが、今のところとてもいい選択をしたのではないかと思っています。

――日本でそのようなオプションを持たせることは難しいのですか。

私には日本で子育てするという選択肢はありませんでした。日本にも頑張っている学校はあると思いますが、日本人ばかりで、環境が均質的過ぎると思います。

日本の教育トラックに乗せてしまったら、21世紀を生き抜く選択肢が相当制限されると思っています。

――なぜシンガポールを選んだのでしょうか。

日本から比較的近いこと、21世紀成長センターのアジアの中心であること。中華系、マレー系、インド系と人種も宗教が混在し、マジョリティがいない中で多様性があること。中国語と英語が同時に学べる環境。そして何より衛生的で安全であること。地震も台風も津波もありません。医療も高度です。そして私の仕事(国立シンガポール大学やミルケン・インスティテュート、日本戦略情報機構等)もあることです(笑)。

また、シンガポールでは、テクノロジーが社会を変える様子も日本より間近に見られます。アジアやシリコンバレーの起業家のサービスがどんどん、シンガポールで活用され、それを家族で利用しながら、娘の将来環境も想定したりしています。

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