日本の教育では、新しい時代を生き抜けない

田村耕太郎「海外子育て」の意義を語る

――人種と宗教の混在、アジアに存在、中国語と英語が学べるなど、かつて同じ国だったマレーシアとの共通点も多いですが、マレーシアの学校はご覧になりましたか。

私もマレーシア・ジョホールバルのマルボロカレッジなどの学校を見学したことがあります。寮があり、親が日本にいても子どもが海外で学べる点は素晴らしいと思いました。北海道大学くらいのスケールの敷地に、子どもがたった数百人という感じの学校もあり、贅沢だなと(笑)。

ジョホールバルだけでなくペナン島もいい学校が多いと聞いています。マレーシアの生活費の安さやビザの取得のしやすさは魅力なのではないでしょうか。

政治情勢には不安があるマレーシア

田村耕太郎(たむら こうたろう)●国立リー・クアン・ユー公共政策大学院の兼任教授、日本戦略情報機構CEOとして活躍する。日本では、元参議院議員、内閣府大臣政務官、参議院国土交通委員長などを歴任してきた(写真:今井康一 2013年11月13日撮影)

――マレーシアでの子育てをどう見ていますか。

ただし、地政学分析を生業としている私の特殊な立場からいけば、今のマレーシアに子連れで移住するリスクは結構高く見ています。そのため、個人的にはマレーシア移住はおすすめしていません。

私は政治家時代、今のマレーシアのナジブ首相とは2人きりで懇談する機会を持つなど親しくさせていただいています。彼の依頼で与党幹部に講演させていただき、その後もお付き合いは続いていますので、結構深くマレーシア情勢は注視し続けているほうだと思いますが、昨今の状況はとても残念に思っています。

政府の腐敗とそれに伴う国民の間の亀裂が激しくなってきています。治安や社会の安定性が近い将来著しく損なわれる可能性もあります。ASEANメンバーのほとんどの国は政治も経済もよくなってきていますが、その中で例外的にマレーシアは政治情勢の劣化理由で社会的にも経済的にも厳しくなっていく可能性があります。

マレーシアに限らず、大事な家族を連れて移住する場合は、気候や学校や生活事情のみならず、新興国でしたら政治情勢や隣国との地政学情勢はしっかり検討されるべきだと思います。

――教育のために移住するとしたら、時期はいつが適切でしょうか。幼児期、学齢期、青年期、いろいろ選択があると思います。

間違いなく幼児期でしょう。0~4歳が勝負ですが、遅くとも6歳までだと思います。幼児期を強くおすすめするのは、結局それが最もコストパフォーマンスがよいからです。

幼児期に移住すれば、教育投資の効率もよい

人生は何をするにしても「never too late」だと思いますが、いちばん教育投資の効率がいいのが幼児期です。

脳のハードウェアとソフトウェアが出来上がる時期は、スポンジのような吸収力があり、ちゃんと科学的なトレーニングを受ければ、探究心や自信といった私が大事にする価値が身につくと思います。多様な文化、人種、宗教の中で、科学的知見に基づき探究心や自信を育てることができます。

加えて、日本で生まれた日本人の子どもが学校に入りやすいのも絶対この時期です。幼児なら試験のしようがありません。しかし小学生以上になってしまうと英語や中国語で試験や面接があり、日本で育ってしまうと非常に不利です。

学校によっては国のバランスを取るため、国籍によって人数を制限しているところもありますが、幼児期から教育移住してくる日本人もまだ少数なので、その割り当て的にも有利なのです。

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