英語が下手な先生に、安心する生徒
安河内:文科省が中学、高校の先生に「英語が下手な先生でも、全員、基本は英語をある程度は使わなくちゃいけない」と決めたことで、先生たちも嫌々英語で授業をやっているわけですよ。
それで実際の授業中に先生がどういう英語をしゃべっているかというと、Okay, let’s start! Stand up. Now. Listen to my words. Open your textbook, page 78, okay? Yamada-kun, stand up and read aloud.といった感じなんです。ずいぶん日本語的でシンプルな英語でしょ? でも、これを聞いて生徒が安心するんですね。
加藤:こういう英語でOKだと?
安河内:そうです。「あんな感じでいいのなら、僕、しゃべってみよう」となるのです。だから、生徒も授業でガンガン英語をしゃべっている。デタラメな英語を気にせずにね。もちろん、お手本として英語ネイティブのCDを聞かせたりもしているので、発音面の配慮がまったくないわけではありません。ただ、細かい間違いは気にせずに、まずは口に出してみようという雰囲気が確実に出来上がってきてはいます。一部かもしれませんが。
それから、何が何でもオールイングリッシュというわけではなくて、文法説明などは、Today we are going to study過去形. This is過去形. This is現在形. Please make疑問文.みたいな感じなのです。これはこれでちゃんと機能しているんですね。そんな先生に感化されて、生徒も徐々に恥ずかしがらなくなる。帰国子女やアメリカ人とのハーフがいるクラスなども見学しましたが、何とか楽しそうに英語を口にしていました。
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