英語より、「おもしろ描写力」を磨きなさい! グローバルで必要なのは、異次元の人に「伝える力」

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「伝える力」に関しては、著書『自分の考えを「伝える力」の授業』(日本実業出版社)にも詳しい
 グローバルで活躍していくために本当に必要な力は何か? 学生や社会人に世界基準の考え方・伝え方を教えている狩野みき氏によると、英語より何より重要と言って過言でないのが「伝える力」、特に「描写力」だという。
 文化や習慣の異なる人々を引き付け、相手を取り込む――。それは、「あうんの呼吸」で生きてきた多くの日本人にとって、苦手と感じる分野かもしれない。
 ところが、狩野氏の話を聞いてみると、「これならできるかも」と思えてくるから不思議だ。
 以下、社会人になった教え子たちと狩野氏の架空のやり取りをベースに、世界基準で通用する「描写力」を得るためのヒントを感じてほしい。

「宇宙人相手に、面白くプレゼンせよ」って……

「先生、久しぶりに皆で集まりましょう」と、かつての教え子に声を掛けられ、約10年ぶりに教え子たちと再会。威勢のいい学生だった彼らも、今や立派な社会人になっていました。

近況報告や思い出話が行きかう中、教え子のAくんが、「先生の授業で習った『描写』、ものすごく役に立っています。この間もプレゼンテーションしたんですけど、プレゼンを聞いていたアメリカ人に、君の話はとても面白かった、特に描写力がすばらしい、と褒められました」と言います。

「そう言やぁ、お前、学生の頃から描写うまかったよな」と教え子のBくんがコメントしたところから、話題はかつての授業へと移っていきました……。

教え子B:先生の授業といえば、描写、ですよね。宇宙人に傘を描写する、とか、ルネサンス時代の人にコンピュータを描写、とか。

教え子C:とんでもないお題ばっかりだったよね。この先生、変わっているなぁ、って思ったわ。

教え子B:そうだよな。「伝えるときに大事なのは、とにかく相手目線に立つこと! 相手目線に立つトレーニングをしましょう。はい、それでは、宇宙人に傘を描写して」っていきなり言うんだから。

教え子C:「宇宙人は、雨って言ってもわからないよね。じゃあ、なんて言えばいい? 描写する、伝えるっていうことは、どれだけ相手目線に立てるかが勝負なの。その力をつけるために、まずはいちばん想像のつきづらい、宇宙人目線で考えてみるの」って。でも、楽しかったわよね。すごくありきたりなことを言うと先生が、「うーん、それでもいいけど……。面白くない」ってすぐダメ出しするし。

教え子B:「描写は、言葉でどこまで語り倒せるか、なのよ! やり直し!」って俺、よく言われたよ。

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