大人と議論できる10歳は、どう育ったか? 親子の会話は、さながら「白熱教室」

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大人顔負けの議論ができる10歳は、どうやって育ったのか?(写真中央が母親の狩野みきさん、右が10歳の長女、左が5歳の長男)

「議論と対話の違いって何だと思う?」「議論っていうと、何かを決めちゃう感じがするけど、対話は決めない気がする」――。

大学生か高校生あたりの子どもと親との会話かと思われたなら、さにあらず。今夏発売され、5万5000部のヒットとなったビジネス書『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』(日本実業出版社)の著者、狩野みきさんと10歳の娘さんとの会話だ。

「なぜ?」「何?」というやり取りを通じて、どんな物事に対しても理由(=根拠)を考えるクセをつけることで、ほかにはない自分オリジナルの意見を作り上げていく。まさに本の内容が、狩野家では日々繰り広げられていると言っていい。

「自分色」を出すための“訓練”

海外での仕事や留学経験を通じて、肩書の書かれた名刺を差し出すだけでは何も評価されず、何をやっている人なのかが問われる場面に直面した人は少なくないだろう。自分はいったい何者なのか? それをつねに問いかけながら、人とのコミュニケーションを図っていくこと――。

深く考えて、自分なりの意見を、英語をはじめとする外国語で表現することが、グローバル社会では求められる。狩野さんは、グローバル社会を生きていくうえでの2大必須スキルとしての「考える」ことと「英語」のプロとでもいうべき人だ。

狩野さんは、父親の海外赴任で中学2年生から高校2年生までの多感な時期をドイツのブリティッシュ・スクールで過ごした。どんな授業、テーマであっても、英語で賛否を明確に示すこと求められた環境が、彼女にとっての「考える」ことへの興味の原点となっているようだ。狩野さん自身、「向こうでは暗黙のうちに『自分色を出す』ことを求められていたので、意識せずとも訓練されていた気がしますね」と振り返る。

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