人材コンサルタントのパク・スックチャさんは、日本生まれ、日本育ちだが、高校から大学院までアメリカで学んだ。外資系企業で、アメリカ、香港、台湾、シンガポールなど、さまざまな国の同僚と共に働いた後に独立し、多様な働き方に関するコンサルタントとして活躍している。
グローバルな経験を踏まえ、日本の女性活用政策について辛口かつ経済合理性にかなった提案もしている。パクさんの東洋経済オンラインでの連載を読んだ方も多いだろう。
まさに今、話題となっているグローバル人材の先駆けのようなキャリアを持つパクさんが、こういう道を歩んだのは、ある事情があった。
「私は在日韓国人ですから、普通に日本の大学を出てもいい仕事にはつけなかった。実際、東大を卒業したのに就職先がまったくない知人もいました。だから、多少無理をしてでも、子どもを海外で学ばせるのは、在日韓国人のコミュニティでは珍しくなかった。私もそういう流れで高校からアメリカに留学したのです」
外資系企業で得た経験と知識を生かし、今は独立したコンサルタントとして活躍するパクさんは、歯科医の夫と18歳の娘、14歳の息子の4人家族。パクさんと、娘のりりさんに進学や教育についてお話を伺った。
バイリンガル母の固い決意
りりさんは、まもなくカナダのマギル大学に留学する予定。日本語での会話の途中に自然と流暢な英語が交じるなど、これからの生活に心躍らせているように見える。
実はりりさんは、3年前、東京の親元を離れてシンガポールに留学。3年間、現地のインターナショナルスクールで学んできた。「母親がバイリンガルで、グローバルなキャリアを持っているのだから、娘の留学も当たり前だったのでは?」と思うかもしれないが、話はそう簡単ではない。
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