「成績至上主義」からついに解放された私

嫌な先生との出会いから学んだこと

 アメリカの大学というと、ハーバードなどのアイビーリーグばかり注目されるが、ほかにも一流校は多い。その代表格がリベラルアーツカレッジだ。知識詰め込み式ではない、考える力を養う教養教育により、多くのエリートを輩出している。トップリベラルアーツカレッジではどのような授業が展開されているのか。東大をやめ、全米No.1のリベラルアーツカレッジに入学した著者が、現地からレポートする。
秋の香りが漂う、ウィリアムズカレッジのキャンパス

 成績は何を反映しているのか?

今回は、留学生活を通して自分に起こった1つの変化を書いてみようと思います。

突然ですが、1年時の成績をドカーンと公開してみます。

 [Fall 2011]
A (Foundations of Dance)
A- (Cultures of China)
A+ (Calculus I)
 GPA: 4.0
 [Spring 2012]
A- (Drawing)
A- (Expository Writing)
A (Calculus II)
C+ (International Relation)
 GPA: 3.4 (Cumulative: 3.710)

 

「Aを自慢してるのか!」と思ってスクロールをしてみると、はたりと手を止める箇所があるかと思います。そう、国際関係論のC+です。

成績が実力をそのまま反映しているとすれば、私は、1学期はどの教科でもよく勉強ができたのに、2学期の政治の授業は出来が悪かったと見えるかもしれません。しかし、私はもともと政治専攻の予定だったので、政治の授業は一番真面目に受けていましたし、一番時間も割きました。そのため、この成績表を見たときには、「なんでこんな成績に?」と疑問にも、やや不服にも思いました。

そこで、教授にメールをしてみたところ、「なぜ私の成績がC+だったか」についての説明をいただきました。参考文献から直接引っ張った文章にFootnoteで引用をしてしまい、きちんとQuotation Mark(“ “)を入れていなかったのが、大きな理由なようです。

アメリカの大学では、Honor Codeと呼ばれるものが存在し、ペーパーでは引用がとても厳しくチェックされます(Honor Codeとは、学問上の倫理規定であり、ペーパーの際の引用の明記や、試験の際にカンニングの禁止などが義務付けられています)。

改めてペーパーを見返したところ、2文ほど、Direct QuotationのところがFoot note(脚注)になっている部分がありました。

「あちゃー、これはしょうがないかな。うっかりミスだったけど、これでFとかやっぱりアメリカの大学ってこういうところ厳しいんだなあ」と思いました。しかし、他のペーパーや、授業中のディスカッションへの参加や、オンラインのディスカッションにも参加したところが全く成績に反映されなかったのは残念でした。

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