「成績至上主義」からついに解放された私 嫌な先生との出会いから学んだこと

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評価か学びか

高校の頃に通っていたテニススクールで、自分が一番強いけどレベルがそこまで高くないクラスに残るか、自分が一番弱いけれど周りのレベルが非常に高い選手養成クラスに入るかで迷った時がありました。その時にコーチが、「自分より強い人がいる環境の方が絶対にテニスは強くなる」とアドバイスをくださって、上のクラスに上がることを決めました。

上のクラスは、トレーニングはかなりきつく、中にはすごい小中学生なんかもいて、始めのうちは6歳年下の子にボロ負けしてすごく悔しかったのを覚えています。だからこそ絶対勝ってやろうと思うようになって、練習についていこうと頑張りました。

そして最後のレッスンで、コーチから次のような言葉をいただきました。

「一年間お疲れ様。美帆はまだこのクラスで一番強いわけじゃない。でも、このクラスで誰よりも成長したことをコーチは知ってる。はじめは悔しかったかもしれない。(このへんで私が号泣を始めます)けれど、最後までよくやりきったね。その気持ちを持ってこれからも頑張りなさい」と。

自分が「いい評価」を得られる位置にとどまるのか?それとも、一つレベルを上げて、いい評価は得られなくても、「より多くを学べる」場にいくのか?

…別にどちらがいい、ということはないと思います。ただ、ようやく私は、アメリカの大学で後者を選ぶ勇気を持つことができたように思います。

(構成:アゴス・ジャパン 後藤道代)

佐久間 美帆 米ウィリアムズカレッジ2年生

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さくま みほ

1992年生まれ。東京学芸大学附属高校卒業。2011年、東京大学文科一類合格。1学期間東京大学に通った後、同年秋から米国マサチューセッツ州のWilliams Collegeに入学。アゴス・ジャパンのホームページで「佐久間美帆のリベラルアーツカレッジレポート」を毎月更新
 

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