大人と議論できる10歳は、どう育ったか?

親子の会話は、さながら「白熱教室」

キャベツの県別生産高より、もっと大事なこと

狩野さんは、中学受験に対しても「小学生の遊び盛りのときに、キャベツの県別取扱高とか覚えさせるのはもったいなさすぎる」と、今のところ否定的だ。

小学生の子どもたちにクリティカル・シンキングの基礎を教えるプログラムを運営。同じ志を持つ教師仲間らと「考える力推進委員会」を立ち上げ、教育現場でのプログラム展開も目指している

知識はインターネットでも本でも得られる時代。知識を持っているということの重要性は、相対的に低下していくのではないか。ならば「兄弟げんかしながら解決策を見いだしたり、お友達と遊んだりしながら喜怒哀楽を経験させるほうほうが大切」だと。

最後に狩野さんに、お子さんに求める資質について聞いてみると、ちょっと過激な言葉が返って来た。「たとえ革命が起きても生きていける子に、天災・人災が起こっても裸一貫で立ち上がれる子になってほしいですね」。革命、そのココロは……。

「革命のときには、自分はどう生きればいいかを客観視できなければ、生き残れないはずです。自分を客観視して考えるというトレーニングを通じて『幸せになる力』をぜひ身に付けてほしい。失敗したり、貧乏になったり、病気になったりといった状況もあるかもしれないけれども、そのような中にあっても生きていることへの実感や感謝を持てる、『幸せ力』とでもいうべき力をつけさせてやることが、親の最大の役割だと思います」

考えることを通じて伝えたいのは、幸せになるチカラ。狩野さんはこれからも、ご自身の子どもたちだけでなく、多くの子どもたちに「幸せ力」を授けていくに違いない。

(撮影:尾形文繁)

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