毒舌?新常識?「日本脱出」のススメ

元アップル・松井博さんの「体験的子育て論」

――マレーシアの英語はどうですか。

マレーシアの英語はたしかに訛ってます。しかし米国の大学を見ていると、英語力が足りなくて特別な英語クラスに行くマレーシア人はほとんどおらず、すぐに大学の授業にも苦もなく着いて行けています。米国ではどこの語学学校も日本人だらけで、日本の英語教育はどこか根本的に間違っていると思わざるを得ません。

――米国での東南アジア人の評価はどうでしょうか。

シリコンバレーにいて思うのは、アジア人は総じて優秀だということです。学生のときにもマレーシア人をはじめとする多くのアジア人の友人がいましたが、とにかく勉強がよく出来る上に、さらに勉強するんです。ほかの学生も、アジア人に押されて猛勉強するみたいなところがあります。数学の上のクラスに行くとアジア人ばかり。アップルでも、ベトナムあたりから来た連中はもの凄く優秀でしたね。なかには、インターンで来て、たったひと夏で顔認識ソフトを作ってしまった学生もいました。その学生は、そのまま社員になりました。

――マレーシアの学校レベルが低いと言う人もいますが。

日本人は、良くも悪くも先生が提示する基準値に合わせることになれていると思います。先生の期待値を満たすことがゴールというか。アメリカにも、そういう先生も沢山存在します。ですが、よいもの、優れたものは、そのまま素直に受け入れてくれる傾向にあります。だから、自分から生み出すこと、提案することがすごく評価されやすい。また、米国では先生の質による授業内容のバラツキも、日本では考えられないほど大きいんです。

マレーシアでは、きっとまたさらに違った感じでしょう。戸惑う親御さんや子供たちも少なくないと思います。また、頭の中に描いていた自分のイメージの中のマレーシアと、現実の体験の乖離が大きすぎるのかもしれません。

――マレーシアに来た多くの親が欧米の大学を視野に入れていると思いますが、欧米の大学と日本の大学の違いは何でしょうか。

日本の大学は、企業が新入社員を教育することを前提にしています。だからなるべく従順で癖のない人材を育成しようとする傾向にあります。それゆえに「これをやりたい!」という子が育ちにくく、同じような子ばかりになってしまうのかもしれません。それに対して米国では、めいめいが勝手にやりたいことを選んでやる感じです。大学はむしろ専門学校の集合体のような感じで、そこでマーケティングやプログラミングなど、就職してすぐに役立つ専門知識をみっちりと詰め込むんです。希望すれば、専攻を複数持つことも可能です。いろいろな意味で、真逆なんですね。

日本脱出のススメ

――松井さんは日本人に日本を出ることを勧めていますよね?

日本って日本語に守られた密室なんですよ。ちょっと話は飛びますが、たとえば虐待やDV、引きこもりなんかも家庭が密室だからこそ、深刻化、長期化しやすいんです。親が恥ずかしいと思って隠しちゃったりするでしょう?

でも、第三者が介入することで間違ったまま突き進んで行く可能性を大きく減らすことができます。日本という国自体も同じではないかと思うのです。だから、僕はそんな「密室」を壊すことが、日本全体にとっていいことだと思ってます。日本を一度出ることで、第三者の視点を得られるのは、実に貴重なことです。移民の受け入れも、僕はそういう意味で賛成なんです。

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