元「新聞奨学生」62歳が語る"若者への申し訳なさ" かつて日本はもっと「若者に投資する国」だった

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「若者への投資」はこれでいいのか

本連載を続けていると、奨学金制度への批判だと勘違いされることが少なくない。だが、毎回記事の冒頭でつづっているように、「大学の学費の上昇」も、重要な変化といえる。

高等教育の重要性がますます増す世界において、わが国の大学の学費は上がる一方だ。奨学金を借りることが一般的になっているのは、その影響も多分にあるだろう。

いつか、自分たちの首を締めることにならないのか。いや、実はもうゆっくり首は締まっているのかもしれない……「置かれた時代の影響」を強く感じさせる西村さんの話を聞きながら、若者のひとりとして感じた筆者だった。

※編集注1:厳密にはこの数値は男性の大卒者だけのものであり、女性の大卒者は9万9900円だった。一方、令和1年のデータは男女合わせた数値である。民間の統計サイトでは、男性のみの数値を男女平均として表示している/表示しているように見えるものもあるので注意されたい。今回は便宜上、あえてより広まっているデータを元に計算している(だが、同調査では昭和61年まで女性の大卒は事務系の数値しか調査せず、62年以降が技術系を含む数値……というふうに、そもそも昔と近年では調査内容が微妙に異なっており、また繰り返すがお金の価値が昔と今では異なるので、あくまで目安として受け止めてほしい)。

※編集注2:同様の理由で、男性のデータを記載している。

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。編集者としては「驚異の陳列室『書肆ゲンシシャ』の奇妙なコレクション」(webムー)なども手掛ける。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。毎月、南阿佐ヶ谷トーキングボックスにて「ライターとして食っていくための会議」を開催中。

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