クリエイティブ職が財務諸表を読むべき納得理由 課題解決に必要な「全体」「上流」を見る技術

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成果を出し続ける人たちは、「表現のクリエイティブ」に着手する前に、何をやっているのでしょうか(写真:CORA/PIXTA)
「クリエイティブな仕事」と聞くと、すてきなデザインを考えたり、心に響くコピーを書いたり、面白いアイデアを考え出すような仕事を想起するかもしれない。しかし、ビジネスにおけるクリエイティブは、課題をいかに解決して結果につなげるかというところがゴールになる。
いわゆる「表現のクリエイティブ」に着手する前にやるべきことは多く、成否のほとんどが「ビジネスのクリエイティブ」の段階で決まると言っても過言ではない。では成果を出し続ける人たちは、「表現のクリエイティブ」に着手する前に、何をやっているのか。
電通の営業マンからキャリアをスタートし、独立してサントリー「角ハイボール」ほかのプロジェクトを手がけている異色のクリエイティブディレクター齋藤太郎の初の著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』から、課題を前にした際に最初にやるべきことについて紹介する。
『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私が立ち上げたクリエイティブエージェンシーdofは、ビジネスの課題を「なんとかする」ことを標榜しています。私たちに寄せられるさまざまな課題の解決手段として、テレビCMやグラフィック広告などの「表現のクリエイティブ」を創ることもあるのですが、決して最初から具体的なアイデアを考えるようなことはしません。

どんな課題を解決する場合でも、最初にやるべきことがあります。それは、「クライアント」や「クライアントの周辺」についてよく知る、ということです。クライアント企業の業界の状況やビジネスモデル、収益構造について、基本を理解し、最新の情報をアップデートしておく必要があります。

人は意外に目先しか見ていない

私は頼まれて電通などの広告会社の若手社員に研修をすることがあります。そこで営業担当者の担当クライアントについて「その企業の広告の御社の取扱高はいくらですか?」と聞くと、さすがにきちんと数字が返ってきます。優秀な営業担当は「その企業の年間の全体広告予算はいくらか」も答えられます。

しかし「その企業自体の年間の売り上げと粗利と営業利益はいくらか」という質問には答えられる人が少ない。その業界や企業の収益構造やビジネスモデルをきちんと把握できていない人も少なくありません。

自分が携わっている仕事、自分が関わっている部門には詳しかったりするのですが、実はそれ以外のところや全体が見えていない状態のことが多いのです。それらを理解していないとどうなるか。

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