「売れない」と言われたポケトークが快進撃の理由 齋藤太郎×尾原和啓のクリエイティブ対談3

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ビジネスにおける課題解決とクリエイティビティーとはどのようなものなのか。どのようにして身につけられるのか。齋藤氏、尾原氏が語る(齋藤氏撮影:梅谷秀司、尾原氏撮影:干川修)
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多くの人が「これは売れない」と考えていたポケトークが販売台数90万台を越え、100万台をうかがう勢いで伸びている。なぜ大方の予想を裏切って好調なのか。そこにはどんな戦略、ビジョン、施策があったのか。「売れない」と考えていた、マッキンゼーや楽天など10数社で働き、IT批評家としても活躍する尾原和啓氏と、ポケトークの仕掛け人であるクリエイティブディレクター齋藤太郎氏に、齋藤氏の初著書『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』の発売を記念して、特別対談として、その裏側を語ってもらった。

尾原:僕、通訳機のポケトークが発売される前、「こんなものは絶対に売れない」って太郎さんに言ってたじゃないですか(笑)。そりゃ翻訳の精度は上がったかもしれないけれど、前から通訳機はあったわけだし、そもそもスマホには自動翻訳の機能がついているんだから。

『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

齋藤:言ってましたね(笑)。

尾原:でも太郎さんはそれを笑って聞き流してくれた。それでポケトークが発売になって、明石家さんまさんのCMを見たときに、「ああ、そういう課題の切り方をしたのか」って、本当に地団太を踏みましたよ。

つまりポケトークの登場を、iPhoneの登場に匹敵するくらいの大事件として見せた。なんでこれを自分で思いつけなかったんだろうって思いましたね。

そのあと「太郎さんがやったことって、こういうことですよね」って答え合わせさせてもらいましたけど。

名無しの権平の戦い方

齋藤:僕自身はアメリカで生活した経験があるので英会話に不自由しないけれど、英語コンプレックスを持つ日本人はすごく多いでしょう。そういう人にとっては、ポケトークを1台持っていくだけで、海外で会話が通じるようになるのは大事件だということに気がついたんです。しかもポケトークはインターネットに接続して使うので、世界中の62言語に対応できる。

だから広告の作り方としては、昔のテレビ番組「電波少年」みたいに海外に突撃するとか、「YOUは何しに日本へ?」みたいに日本に来ている外国人に話してもらうとか、いろいろ考えました。でも最終的に、ポケトークの発売元はソースネクストというあまりメジャーではない会社だから、いわば「名無しの権兵衛」が勝つには、メジャーなタレントを起用して一気に話題をつくるしかないという結論になった。

尾原:なるほど。

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