もうすぐ今年度も終わります。これは子どもたちにとっては今の学年が終わるということです。
そこで気になってくるのが、1つは「来年はどの子と同じクラスになるのか?」ということであり、もう1つが「担任はどの先生になるのか?」ということだと思います。子どもたちはもちろん、親御さんたちも非常に気になるはずです。
このクラス替えと担任替えの2つについては、一般的には運を天に任せるほかないのですが、実はそれでは不十分な場合もあります。
子どもにとって1年間という時間は非常に貴重
まず1つめの「クラス替え」についてです。例えば、次のようなときは運を天に任せるだけでは不十分です。
▼はっきりしたいじめとまではいかないけれど、ある子と強い上下関係ができてしまって、つねに圧迫感を感じている
▼今は別のクラスだけど、以前ある子と同じクラスだったときにいじめられたことがある。また同じクラスになると再発する可能性がある
▼ずっと友達ができずに休み時間もひとりぼっち。でも、ほかのクラスのある特定の子となら遊ぶことができる
こういう場合は、クラス替えで配慮をしてもらい、当該の子とは別のクラスにしてもらう、あるいは同じクラスにしてもらうよう、学校に依頼したほうがいいと思います。
というのも、成長過程の子どもにとって1年間という時間は非常に貴重だからです。読者のみなさんも、例えば自分の小学生時代の6年間を思い出してみてください。実に長くて本当にいろいろなことがあり、その1つひとつが自分の成長に大きな影響を及ぼしてきたはずです。ところが、大人になってからの6年間などあっという間です。
つまり、子どもにとっての1年間は、その長さも濃密さも大人の比ではないのです。それほど長くて濃密な時間を苦しい状況で過ごすのは、子どもにとってつらいことであり極力避ける必要があります。それでないと、自己否定感や他者不信感を持つようになったり、メンタルへの悪影響が出て鬱症状が出たり、ひいては人格形成にも悪影響が出たりする可能性もあります。このようなリスクを軽視すべきではありません。
もちろん、人間の考えで配慮をしたとしても、想定外のことが起こるのが人生ですから、困難をすべて避けることはできません。でも、初めからわかっている大きなリスクは避ける努力をするべきではないでしょうか。
そして、実は、先生たちにとっても、クラス替えで一番気になるのは子どもたちの人間関係です。子ども同士がうまくいっていない、いじめがある、友達と遊びたいのに遊べない子がいる、仲間に入りたいのに入れない子がいるなどの場合、先生たちも一番心を悩ませるのです。
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