休園で詰んだ働く人が覚えておきたい基本ルール フレックス、裁量労働、フリー働き方別に解説

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育児と仕事の両立に苦慮するパパママが新型コロナウイルスとどう向き合えばいいのか、コロナ特別有給や助成金の活用も踏まえて整理します(写真:maroke/PIXTA)

昨年末には収束に向かうかと思われた新型コロナウイルスですが、年明け後は一転してオミクロン株による感染拡大が続き、「働く」ということに対してもその影響は大きくなっています。

厚生労働省によると、1月27日時点で644の保育園が全面休園するなど、保育園や小学校などの休園・休校が相次ぎ、多くのパパママが育児と仕事の両立に苦慮しています。

このような社会情勢を踏まえ、本稿では、改めて、働くパパママが、新型コロナウイルスにどう向き合えばいいのかを、社会保険労務士の視点から整理をしていきたいと思います。

コロナ特別有給と助成金

子どもが通う保育園や小学校などが新型コロナウイルスの影響で休園・休校となった場合、家族やベビーシッターなどに依頼することができれば別ですが、そうでない限り、パパやママは自宅で子どもの世話をするため仕事を休まなければならないことが通常です。

このようなとき、年次有給休暇を申請して休むことが真っ先に頭に浮かぶでしょう。

しかし、休園・休校が長期や複数回に及んだり、兄弟の学校が相次いで休みになったりすると、年次有給休暇の残日数を使い果たしてしまったり、使い果たさないにしても、どんどん残日数が減っていくことに不安を覚えずにはいられません。

そこで、国は「小学校休業等対応助成金」という制度を創設し、企業に活用を呼びかけています。

この助成金は、従業員の子どもが通う保育園や小学校などが新型コロナウイルスの影響で休園・休校となった際に使えるものです。会社側が従業員に対し年次有給休暇とは別枠で、特別有給休暇を付与した場合、当該有給休暇取得日に従業員に支払った賃金と同額(ただし、申請時期や地域に応じ、9000円~1万5000円の上限あり)を国が助成金として企業に支給するものです。

しかし、この助成金は企業がコロナ対応の特別有給休暇制度を導入して、はじめて従業員は恩恵を受けることができる、という仕組みになっていることがボトルネックです。

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