ここまでは、雇用契約に基づいて会社員などの立場で働くパパママについての話が前提でした。しかし、会社員以外の働き方をしているパパママも少なくはないということも忘れてはなりませんので、ここから先は、そのようなパパママについて触れていきたいと思います。
フリーランスの場合は、自分が働けないことが収入の減少に直結します。
この点、小学校休業等対応助成金のフリーランス版である「小学校休業等対応支援金」が存在します。しかし、1日当たりの給付額は、2022年1月・2月は1日当たり5500円、3月は4500円と、生活するために十分な額とは言えません。
また、日時を特定して締結された業務委託契約しか支援金の対象にならず、例えば、ライターの仕事をしている方が「〇月〇日までに1万字の原稿を入稿する」という契約を辞退した場合、納期は決められていますが、特定の日に行う仕事ではないので支援金の対象にはなりません。
ですから、フリーランスの方が保育園や小学校などの臨時休業に備えるにあたっては、顧客と納期を調整する、協力してもらえる同業者を見つけておく、配偶者が会社員などであれば子どもの世話をお願いする、などの調整が重要になるのではないかと思います。
会社役員もひとごとではない
会社役員の場合は、会社とは委任契約関係にあり「労働時間」という概念で拘束されないため、休んだり、勤務時間を調整することは自身の判断で可能です。
また、税法上のルールで役員報酬は毎月同額としなければならないとされているため、子どもの世話のため業務の一部または全部を行わなかった日について役員報酬を減額されることは原則としてありません。
しかし、会社役員には労働者の解雇規制のような制度はないため、株主から職責を果たしていないと判断されると解任される恐れがあります。
また、中小企業では、役員の個人的な人脈やスキルが会社自体の存続に直結していることも多いため、子どもの世話のためとはいえ、業務を離れることが難しいことは珍しくありません。
それでは、会社役員は、子どもの保育園や小学校などの休園・休校にどのように向き合えばいいのでしょうか?
私自身も社会保険労務士法人のマネージング・パートナーであり、会社役員の立場ですが、会社役員のパパママが子どものコロナ休校に備えるためには、以下のような取り組みが重要であると考えています。
2.重要なことや緊急性の高いことは自宅から判断や指示ができるよう、いつでもテレワークをできる体制を整えておく
3.コロナ休校と役員会議が重なった場合、役員会議にオンラインで参加できるよう他の役員と調整しておく
すなわち、自助努力で事前に段取りをし、できる限り「休める環境」を整えておくことが重要であるということです。
このように、働き方に応じ、対応はさまざまとなりますが、自身に認められた法的権利を活用し、また、自助努力による調整も踏まえ、この苦しい時期を乗り切りたいものです。
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