塩野:大室先生は今後、こういう産業医の世界をつくっていきたい、というビジョンはあるんですか。
大室:今まで僕は専属産業医といって、ジョンソン・エンド・ジョンソンという会社の統括産業医をやっていたんです。今、人間ドックの医療機関にデスクを置きながら、10数社の産業医を担当しています。今、産業医の業界では、専属産業医の先生が次々と開業しだしてるんですよ。いわゆる弁護士さんとか税理士さんみたいに、10社契約すれば食っていけるので。そういう人が今だいたい日本に数十人います。30年前の弁護士さんみたいな状況です。今はみんな個人事務所ですが。たぶん将来は専門家としてのファーム、組織みたいなものができてくるんじゃないかな。弁護士さんがそうであったように。
チーム体制をもった医療機関をつくりたい
僕は外資系やサービス業系に強いので、たとえば新日鉄みたいな所でガリガリの化学物質の管理をしていた産業医と一緒に、産業医の専門家チームを組んで医療機関がつくれると面白い。場合によっては保健師さんと組むとか、産業医を中心としたファームみたいなものをつくるのが将来の野望というか、夢ですね。
塩野:それは近いうちに実現しそうですね。開業産業医の組織として、ある事案に対してチームで取り組んでいくというイメージですね。
大室:そうなんですよ。何かアクシデントが起きた場合、チームであればすぐに対応できる。ファームであることの利便性もあると思います。多分僕らの世代はちょうどキャリアとしても新しいことを始めるのにいい時期なんじゃないかな、って勝手に思ってるところです。
塩野:それは面白い。これからもご活躍を期待しています。
(構成:長山清子、撮影:梅谷秀司)
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