エイチーム林社長、「100年経営」の深いワケ 幸せは長く続かない、だからこそ長期経営

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「プロフェッショナル対談」は、経営共創基盤のマネージングディレクターである塩野誠氏が、次の時代を切り開くリーダーと対談し、キャリアについてのホンネを引き出すコーナー。4人目のゲストは、スマホゲームを主体としつつも、新規事業を次々に生みだしているエイチーム社長の林高生氏。独自の経営哲学が生まれた背景と、その実践について、前編、後編に分けてお届けします。(編集部)

塩野:まず、最初に聞きたかったことがあります。林さんは「みんなで幸せになれる会社」を目指しているということですが、これは具体的には誰にとっての幸せですか。

:基本的にはエイチームに関わる人みんなですね。社員、社員の家族、取引先、株主などです。僕の思う「幸せ」の定義についても、入社時をはじめ、折に触れて話します。

塩野:社員だけでなく、関わる人みんなということですね。ただ幸せって何なのか、これは社員一人ひとり違うと思うんですけど、採用のときにはどこを一番見ていますか。

採用でもっとも重視するのは協調性

:まず協調性ですね。というのも僕が創業以来、一番苦労してきたのは、「人」なんですよ。悩みの7割は人についてです。受注がないとか資金繰りとかそういうことよりも、自己中心的な人たちに苦労させられた。「どうしてこの人たちは会社に迷惑をかけるようなことをするんだろう」と夜もずっと考えてしまうくらい。
仕事のことは何かしら手を打てば変わっていくけれど、人は変えられない。解決ができないんです。なのでそういう人を採用したくない気持ちが強いですね。

塩野:じゃあ、「協調性はないけれど、すごく頭がよくてスターになるかもしれない人」と、「能力は普通だけどいいやつ」とではどちらを選びますか。

:後者です。実際、頭がいい人を採用したことは何回もありますが、結局われわれの仕事って一人じゃできないんですよね。ゲームをつくるにしても、企画する人がいて、開発する人がいて、絵を描く人がいて、協力体制ができないといけない。となるとすごく才能のある人が一人いても、その人がみんなと協力できなければ、モノもできないし、できたとしてもそのあとビジネスを進めることができなくなってしまう。結局はお金だけ使って終わり。そういうことが何回もありました。でも後者の場合は必ず前に進みますから。

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