新たに始まる、「プロフェッショナル対談」は、経営共創基盤のマネージングディレクターである塩野誠氏が、次の時代を切り開くリーダーと対談し、キャリアについてのホンネを引き出すコーナーです。第1回のゲストはミクシィ社長を退いたばかりの朝倉祐介氏。前編、後編に分けてお届けします。動画では、2020年東京五輪出場を目指す「意外な競技」について語っているので、こちらも必見です。(編集部)
塩野 朝倉さん、ミクシィの社長を退任なさったばかりのところに来ていただき、ありがとうございます。まずはお疲れさまでした。1年少しの間でしたが、「いろいろあったけれど後悔はない」とおっしゃっていましたね。
朝倉 そうですね。もともと1年の任期でしたし、やるべきことは全部やりきった感じがあります。会社の立て直しというのは夏休みの宿題みたいなもので、やらなければいけないことは大体わかっているんです。ただ手をつけるのは気が重いし、実際やってみると大変だから8月の最終週まで先伸ばしてしまう。でもやらなきゃいけないから粛々とやっていたら、思ったより早く、8月の25日くらいに終わったという感じですね。
塩野 なるほど。問題がわかっているのに先送りしてしまう企業が多いなかで、やるべきことをやれたのはいいことですよ。
朝倉 そうですね。ずっとプロパーでやってきた人間だったら難しかったと思います。
ミクシィ社長になることを予想していた?
塩野 そういう意味では、朝倉さんが外部からパラシュート的に社長になったのはインパクトがあったと思います。朝倉さんはご自分の会社をミクシィに売ったことから、ミクシィに入社したわけですが、ご自分の会社がミクシィに買われたときは、その後、自分がCEOになるということは1ミリくらい予想していましたか。
朝倉 まったく予想していませんでした。自分の会社を売ったときは、株主の利益を代表する立場として、いちばん高く評価してくれるところはどこかという目で見ていましたから。
でも気持ちの面では、数社見ているなかでも、ミクシィがいちばんやりやすいだろうなと思っていたところはあります。エンジニアリングやサービスについては一日の長がある一方で、マネジメントについては印象がなかったので。
入社当時はミクシィで新規事業をやりたいと思っており、自分の腕を振るう余地がありそうだと思っていました。ただミクシィ全体の経営を任されるようなことは、まったく考えていませんでしたね。
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