読者のみなさんは、胃がキリキリと痛くなるほど、悩んだ経験はあるだろうか。
今回は、生き残りをかけるミクシィ若社長の苦しみを扱おう。いまや「マイミク」という言葉すら懐かしく感じるかもしれない。実際に、広告収入が落ち込み、同社の今2014年3月期計画は初の赤字転落見通しだ(売上高は前期比37%減の80億円、純損失25億円)。スマートフォン向けゲーム「モンスト」の急成長をハヤし、株価は連日大賑わい。だが、一方で、買収を決めた新事業の中には「婚活サイト」や「(男女)マッチング事業」も含まれるなど、一見「迷走」にも見える。
ミクシィ再生の苦しみとは?同社は本当に復活するのか?今年6月、30歳(当時)にして新社長となったミクシィの朝倉祐介社長との対談から、同社の実情と、逆境の中での決断について考えていきたい(敬称略)。
「成功体験」がミクシィをダメにした
そもそも、ミクシィがこの数年で急速に業績を悪化させた背景には、フェイスブックなどの競合の影響以前に、もっと大きな問題があった、と朝倉は語る。
「最大の問題は、かつての『大成功』だった。フェイスブックがまだ海外モノでとっつきにくかった頃、タイミングよくSNS『mixi』が拡大した。正直、運が良かった。しかし、非常に若い会社が、運よく大成功した結果、大企業病に陥ってしまった」。
『mixi』という日本最大のSNSを運営している余裕。頑張っても頑張らなくても安泰。いつの間にかチャレンジ精神は失われた。開発もどこかにおごりが出た。社員は、いつのまにかユーザー目線よりも、「斬新なことをやりたい」という自己満足に浸っていった。
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