「最大の敵は、昔のミクシィだ」

株価暴騰中! 31歳朝倉社長に、改革の痛みを聞いた

そこには、「過去の成功体験を捨て去り、自分で考えて、新しいことをする文化を創る」、「かつてのアントレプレナーシップを取り戻す」という、朝倉の強い意志があった。

もっとも、それでも急速な広告収入の落ち込みを補うには至らない。就任後、最近でこそ急反転しだしたが、株価も下落の一途だった。「胃の痛み」や、察するに余りある。

ミクシィが「出会い系」へ進出?

本業の低迷を補うべく、朝倉が並行して進めたのが、新事業の買収だった。

直近では、11月に「街コン」イベントを運営する会社を買収、12月にはLINEから、婚活サイト「youbride」、マッチングサービスの「YYC」などを運営する会社を取得する。特にYYCはもともとライブドアが提供していた男女のマッチングサービスで、累計会員数は500万人を超える。「ミクシィがついに出会い系進出か」とも揶揄された。

しかし、十把ひとからげに「出会い系」とくくるべきではない、と朝倉は主張する。「多数の候補企業の中から、倫理観、安全性、モニタリングをしっかりしているか、などを精査したうえで買収を決定している。むしろ現場は少子化の問題を解決するべく真剣に取り組んでいる」。

現在、ミクシィは、「全ての人に心地よいつながりを」という言葉をミッションに掲げる。「見境なく買収しているわけではない。これからはSNSのみにとらわれず、新事業も含め、グループで世の中につながりを提供していきたい」という。

「あのとき、あれをやっとけば…」は、絶対にしない

急速に業績が下降する中で、カリスマ創業社長だった笠原健治の後任という、難しい局面での今年6月の社長就任。もしみなさまなら、この状況で、社長就任をOKするだろうか。朝倉は、笠原から社長就任時の打診があった時、全く迷わなかったという。

朝倉の決断のポリシーは、「どんな困難があっても、後になって『あれをやっておけばよかった…』と思うことはないように決断をして生きていく」ということだ。

 知る人ぞ知る話だが、若い朝倉の人生は波瀾万丈だ。中学卒業後、競馬の騎手を志す。単身オーストラリアに渡ったものの、身長が規定よりも伸びすぎて挫折。帰国後、北海道で馬の世話をして働くのだが、今度は交通事故で左足を粉砕骨折、馬の世話をする助手の道も断念せざるをえなかった。その後、大学受験資格を得るべく専門学校に通い、苦労の末東大に合格。年齢的には、実質2浪での入学だった。その後はコンサルティング会社・マッキンゼーに入ったが、学生時代から携わったベンチャー企業の立て直しに奔走。そのベンチャーがミクシィに買収されたことがきっかけで、ミクシィに参画することとなる。

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