今の日本の経営者は、しょうもなさすぎる テラモーターズ徳重社長、イノベーションを語る(中)
世界で勝負するために必要なことは何か
世界で通用するために必要なことというと、普通は英語力とか、異文化を理解することだとか言いますね。
それもそうですが、僕はもっと大事なことがあると思っています。
ひとつはブロークンな英語でも戦う交渉力。日本人はまじめなので、英語をしゃべるとなると、byとか、onとか、細かいところを間違えてはいけないと思っている。そんなの僕はどうでもいいと思っているんですけど。あとは相手が言うことを全部聞いて、それからきちんと話そうとか、礼儀を守りすぎる。
もう少し雑というか、いい加減になることも必要で、たとえばインド人とかは、バーッといろんなことをまくしたててくるわけですよ。それをちゃんとせき止めて、押し返す力みたいなものが必要です。
日本だったらひとつの組織ではだいたい出身大学のレベルが同じだから、同質な人たちしかいませんが、海外にはひとつの組織にいろいろな人がいる。今、日本では女性管理職の数を増やそうとか言っていますが、フィリピンでもベトナムでも、インドはもう少し下がるけど、働く女性の数はすごいですよ。こんなに女性が働いてないのは、たぶん日本と韓国だけじゃないですか。
たとえば先ほどのメラルコという東京電力みたいな会社では、半分ぐらい女性です。しかも日本の一昔前の仕事を頑張る女の人は、なんか性格悪そうだったのですが、全然そうではなくて、非常に性格も穏やかで、でも仕事ができますみたいな、すごく成熟した感じです。
世界で求められるものとして、ほかにはスピード感があります。日本はリスクを避けるために熟考したいのだけど、リスクテイキングの感覚がまるっきり違うんですよ。その点僕らはめちゃくちゃ速いと言われていますが、それでもインドの意思決定とかを見ていると、「もうちょっと考えたら?」と思うぐらいです。
先ほどティアワンという会社と初回打ち合わせで合併の話が出たと言いましたが、もし僕がイエスと言ったら、たぶん次の次ぐらいに契約書を交わすことになるでしょうね。だから僕たちも、最近は会う前にそうとう調べておいて、早めに決定できるようにしてから会うようにしています。そうでないと、また日本がばかにされちゃう。