今の日本の経営者は、しょうもなさすぎる

テラモーターズ徳重社長、イノベーションを語る(中)

軌道修正能力のほうがはるかに重要

イノベーションのためはチャレンジするとか、失敗を恐れず行動することも重要ですが、もうひとつ重要なのは、計画に完璧性を求めないことです。とにかく60%くらいいけると思ったら、とにかくやってみて軌道修正する。今のように不確実で先が見えないときはそれしかない。

これは僕が勝手に言っているだけではなくて、統計、データでも出ています。創業時のビジネスをそのまま続けている会社は、ほとんどないですから。たとえばミクシィは、今、またおかしくなっているけど、あれはもともとSNSじゃなくてネットで人材紹介をしていたし、DeNAだってネットオークションの会社だったのを方向転換したわけで、みんな軌道修正しているんですよ。

僕は日本に帰ってくると、もうリスクだ、リスクだとばかり言われます。この場合のリスクというのは危険っていう意味ですね。でもリスクって理論的なファイナンスの用語ではボラティリティ(価格変動率)を指す言葉です。つまりリスクが大きいということは、変動の幅が大きくて、上にも下にも振れるということ。つまりリスクが大きいということは、大失敗してすってんてんになる可能性もあるけど、めちゃくちゃ成功してイノベーションを起こす可能性もある。今の日本はこういう当たり前のことが通じないので、それでおかしくなってきているのではないでしょうか。

ビジネス界の野茂になる

日本再生のキーポイントとして、僕が思っていることは2つあります。

日本人はすごくまじめなので、やはり圧倒的な成功モデルをつくらなければいけないということです。僕は別に帰国子女でもなく、ピュアな日本人です。そういう自分に近いやつが圧倒的な成功例を出して、それに続くことなら、多分、日本人はできる。

たとえば野球でいうと、かつて日本人はだれも大リーグでは通用しないと言われていました。だけど野茂英雄が成功すると、プロ野球選手はみんなメジャーに行くのが当たり前になった。サッカーだってそうです。三浦知良とか中田英寿とか、彼らが頑張って世界でやれると証明したので、今はみんな海外を目指すのが普通になりました。ビジネスの世界においても、小さな会社がアジアで大成功する事例をつくれば、いくらでも後は続くと思っています。

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コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。