人生を新幹線に例えると、新横浜が決断の時? 「ミドリムシ男」 ユーグレナの出雲充社長に学ぶ

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さて、いつもながら突然で恐縮だが、あなたは「自分の価値」について考えたことはあるだろうか。

今回は、ミドリムシですっかり有名になりつつある、ユーグレナの出雲充社長との対談から、「自分の価値」について考えたい。出雲社長は、東大卒で大手銀行という典型的なエリートコースをたどったが、そのピカピカの「価値」を捨て退職、本気で世界を救うために起業。伊藤忠、ANA、電通などの大手企業からも価値を見出されるまでになった、注目の若手経営者の一人だ(敬称略)。

ユーグレナの出雲充社長。ユーグレナはミドリムシの学名。ラテン語で「美しい眼」の意味(撮影:尾形 文繁)

エリートほど、不安やコンプレックスと隣り合わせ

世の中でエリートと呼ばれている人ほど、自信とプライドの反面、不安とコンプレックスが強かったりする。出雲も然り。東大を出る時も、「『東大卒』の肩書を取れば、自分にどんな『価値』が残るのか」と不安だった。

たまたま訪れたバンクラデシュでの貧困の現場に衝撃を受けた出雲は、在学中、多様な栄養素を含むミドリムシの培養研究に携わった。しかし、実用化には程遠く、卒業後はミドリムシへの想いはありながら、ベンチャーを起こすでもなく、東京三菱銀行へ就職。銀行を選んだ本音は簡単だった。

「就職ランキングでトップ」だったから。

自分の価値には自信がない、ミドリムシになんて人生はかけられない。不安と弱さを抱えつつ、みんなが良いというものには、価値があるハズだ、と進路を選んだ。

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