伊藤忠、ANA、電通が期待するミドリムシ

バイオベンチャー「ユーグレナ」出雲社長に聞く

昨年12月20日、東証マザーズに新規上場した企業が話題を集めている。その名はユーグレナ。「ミドリムシ」の学名に由来する社名をつけたバイオベンチャーだ。世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功し、現在はミドリムシクッキーやサプリメントなど機能性食品の企画・販売を事業の柱とする。
ミドリムシというと、小・中学校の理科や生物の授業で、顕微鏡をのぞいて観察した人も多いだろう。その名前から昆虫を想像するかもしれないが、実はワカメやコンブと同じ『藻』の仲間である。約5億年前から存在し、川や水田など淡水の中に生息する。
ユーグレナの直近決算である2012年9月期の売上高は15.8億円、営業利益3億円。実は、このバイオベンチャーには、伊藤忠商事、全日本空輸(ANA)、電通、JX日鉱日石エネルギー、日立プラントテクノロジー、清水建設など、名だたる大企業が出資者に名を連ねている。それだけではない。大阪大学や東京大学などの学術機関、文部科学省、経済産業省などの政府機関と共同で、国家プロジェクトも進めている。
日本の産官学がこぞって期待を寄せるのはなぜか。ミドリムシ、ユーグレナとは何者なのか。創業社長の出雲充氏(33)に聞いた。

実はすごいミドリムシ

――ミドリムシがビジネスになるのですか。

「ミドリムシは、わずか約0.05mmの緑色の体に植物と動物の両方の性質を持つとても珍しい生物です。一般的な生物は植物と動物、両方の栄養素を持つことは、ほとんどありません。例えば植物は魚の持つDHAを持っていませんし、魚には植物特有のビタミンはない。

ただ、ミドリムシならどんな個体でも栄養満点ということはありません。川や田んぼにいる通常のミドリムシは栄養素が20種類ぐらいしかない“しょぼめのミドリムシ”なんです。ユーグレナは全部で100種類もいるミドリムシの中から、59種類の栄養素をもつ非常に珍しいミドリムシを見つけ、それを大量に培養してします。現在は、ミドリムシを原料にしたサプリメント、クッキー、ラーメン、『緑汁』などを企画・販売するヘルスケア事業を柱にしています」

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